文章は書く前に8割決まる 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー
作家などの文章を書く専門家ではなく、一般のビジネスパーソンや主婦などが文章を書く場合に、どうすればいい文章が書けるのか、について書かれた本です。ブログやビジネス文章などを書く際の指南本という感じでしょうか。
著者は、いい文章とはわかりやすい文章であると説いています。いい文章とは、文法が正確だったり、日本語の使い方が美しかったりではなく、相手に伝わりやすい、わかりやすい文章です。
文章は目的ではなくツールなのです。何か相手に伝えたいことがあり、伝えるために文章を書くのです。「いい文章を書こう」と、書くこと自体になっては余計に肩の力が入り、相手に伝わる文章が書けなくなります。
一文を短くしたり、行間をより開けるようにしたり、漢字と平仮名の割合を変えたり。色々とテクニック的なことはあります。ですが著者は、文章を書く際に一番大事なことは「ターゲットを絞れているか」だと言っています。
大勢に向けた文章は伝わりません。誰かをイメージし、その人に話し掛けるように文章を書く。そのようにターゲットをイメージして書かれた文章が、結局は心に刺さるものなのです。
もちろん、ターゲット以外の人の心に刺さるのは難しいでしょう。ですがイメージされたターゲットの心には、ターゲットを絞れば絞るだけ深く刺さることになります。
著者は「想像すること」とも言っています。いかに想像力をもってターゲットを絞れるか。どんな人が読むのか。どんな人が興味を持つのか。どんな時に、どんな場所で読まれるのか。そんなことを、いかに想像できるかが、ターゲットを絞る力になります。
話し掛ける相手が目の前にイメージできると、伝える内容は自然と出てくる。それが、「文章は書く前に8割決まる」という著者の主張なのです。
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