子どもに対して優しくなるには、重ね合わせられるかどうか

2019.07.25 (木)

子どもって、なかなか自分の思い通りに動いてくれないですよね。わざわざ子どものためにやったことでも、すぐに興味をなくすし。栄養面とか金銭面とか色々考えて作った料理でも、簡単に「いらない」とか言うし。知育グッズとか揃えたり、習い事を用意したり、自分のそれまでの経験から考えて「これを学べばいい人生が送れるだろう」「最低限、これだけ身につけてくれれば」というのを導き出しても、簡単には受け入れてくれません。そんな時に「この子は分からない!」って思うし、そんな状況が続くとイライラがたまることになります。

 

 

例えば、仕事で自分の思い通りの仕事をしてくれない部下がいたとします。何度言っても、言うことを理解してくれません。同じミスを繰り返すし。分かっているのか分かっていないのか、曖昧な返事だし。そんな時に「こいつは理解できない」って思うのは簡単なことなんですけど、「俺の若い時と同じだな」とか「俺にもそんな時期があったな」と、自分と重ね合わせることができると、部下に対して寛容的になることができると思います。

 

 

競合他社の人間がえげつないことをやってきたときでも、「自分が相手の立場だったら同じようにするかな」とか。自分と相手とを重ね合わせらると、親近感が湧くようになるんです。

 

 

子どもに対して寛容的になれるかどうかも、この思考が使えます。自分と子どもとを重ね合わせるんです。「自分も昔はこうだったかな」とか「自分も子どもの時は言うことを聞かなかったな」とか。

 

 

で、この自分と相手とを重ね合わせるとき、「『今現在の自分』と重ね合わせる」というよりかは、もっと範囲を広げて想像することになります。重ね合わせられる範囲を広げるんです。「今現在」の自分というのは、子どもとは違う立場になっています。姿形も違いますし、状況も違います。だから、今現在の自分しか見えていないと、なかなか重ね合わせることができないんです。自分を抽象化して考えて、もっと遠くをイメージすること。過去の自分とか、未来の自分とか、立場が違う自分。そんな風に自分を抽象化して考えると、重ね合わせyすくなります。より抽象化すれば、より自分とは離れた立場の人間でも重ね合わせて考えることができるようになります。

 

 

やっぱりここでも重要なのは、抽象化です。自分を薄く考えることができるかどうか。「今現在の自分」という分かりやすくて具体的なものに囚われないで、「自分も子どもの時は……」とか「自分も昔は……」とか「自分もその立場だったら……」などと考えられるようになることです。より遠くまでイメージすることができれば、許容できる範囲も広がります。

 

 

その際に重要なのが、共通点を見つけることです。想像上の自分をベースにして、相手をターゲットにします。想像上の自分(ベース)を相手(ターゲット)に近づけるので、似ている部分(共通点)があると、重ねて見ることがしやすくなります。

 

 

例えば、仕事で何度もポカをするような部下がいたとします。その部下に話を聞いて見ると、「最近、子どもが生まれて家庭がバタバタしている」と言います。自分にも子どもがいて、子どもが生まれた直後のバタバタした時期を経験しているあなたは、部下に対して共感しやすくなります。「俺も昔、そいうだったなあ」とか「俺にもそんな時期があったなあ」と思えれば、何度もポカを繰り返す部下に対して、親身になれるし、無下に叱るとか怒るということをしなくなるでしょう。

 

 

自分と相手を重ね合わせるられれば、相手に対して優しく接することができるようになるし、そのためには共通点を見つけられるかどうかが大事になります。共通点を見つけるためには自分を抽象化して考えることです。より抽象化して考えることができれば、より遠くまで、より違う立場の人間までも、重ねて考えられるようになります。それだけ優しくなれる、ということです。

 

 

子どもに対してイライラせず、寛容的に接する際にも、この「重ね合わせること」は必要です。「自分も子どもの時は……」と思えるかどうか、自分を過去まで抽象化できるかどうか。対象の子どもの年齢まで想像を広げられるかどうか。子どもに対して優しく接するポイントはそこになります。

 


 

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