「賢い子」に育てる究極のコツ  〜 非行や子育てについて考えるためのブックレビュー

2016.05.16 (月)

 

脳科学者が勧める子育て本になります。「子どもの好奇心を伸ばそう」という内容です。子どもの好奇心を伸ばすため、特に推していたのは、図鑑と、習い事としての音楽です。その他、子どもの年齢別の子育て方法や生活習慣についても触れている内容です。

 

「わかりやすい」と思ったのは、脳のネットワークについての説明です。「なぜ赤ちゃんは多くのことを吸収することができるのか」についてです。著者は、脳のネットワークを道路に例えています。

 

生後すぐの赤ちゃんの脳内では、道路建設(ネットワークづくり)がさかんに行われていますが、その道路の作り方には、決まったパターンがあります。

 

1 最初にとにかくたくさん道路をつくる

2 実際に使う

3 使わなかった道路はどんどん壊す

 

という方法だそうです。子どもが親の国籍に関わらず、生まれ育った国の言葉を話す理由が、この道路建設の例えでわかります。

 

脳のネットワークが張り巡らされている子どもは、どんなものにも興味を持つものです。そうしてある程度時間が経ち、「よく使う道路」と「使わない道路」が決まってくると、「使わない道路」をどんどん壊す段階に突入するのだそうです。

 

道路(ネットワーク)をつくって、実際に使っている時期に、好奇心を持たせて道路を使っていれば、その後の習得に差が出るのです。

 

脳の中の音を司る領域は、3歳〜5歳くらいに発達するので、この時期に音楽に触れると、音感がつきやすい。そして、音楽は生涯の趣味としてお勧めのようです。

 

大人になってから新しく始めるのにはハードルが高くても、子どもの頃にちょっとやっていた経験があると、ハードルは低くなります。以前かじっていた趣味であれば、大人になってからでも再開しやすいのです。著者の専門は認知症研究であり、認知症対策としても、趣味としての音楽を勧めています。

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