賢い子に育てる最高の勉強法 〜 非行や子育てについて考えるためのブックレビュー

2017.02.06 (月)

 

 

実際の勉強の仕方を指南した本です。

知識重視に偏ることなく、かと言って、現実的でない「やる気を引き出す」や「伸び伸びと」などと表面的に言うでもなく、ちょうどいいバランスをとった本です。実際、この辺りが進むべき方向なのだと思います。

 

過度に知識詰め込みになるのは、時代遅れです。これからの社会を考えると、知識詰め込みによる弊害よりもするべきことがあるはずです。大学受験に必要な知識、学校から求められている知識、テストでいい点を取るのに必要な知識を詰め込もうとしても、これからの社会でサバイブしていける子どもは育ちません。

 

自分の好きなことに打ち込めて、リーダーシップが取れて、裏表がない、その下地として勉強もできる。そんな子どもを育てることが求められています。全世界の人間と競争する社会では、自分よりも秀でている人間が必ずいます。その中で自分を見つけてもらうには「自分はこういう人間だ」と言えるものがなくてはなりません。

 

いじめ対策としてもそうです。いくら家庭で気をつけていても、子どもにリーダーシップがなければ、すぐに周りに流されてしまいます。いじめられ役になったり、いじめを傍観しているしている役になったり。そんな時に「違うんじゃないか」と声を上げられることが必要です。流れを変えて、新たな流れを作れる。周りを自分が正しいと思う方向に持っていいける。そんなリーダーシップがなければ、いつ非行に走ってしまうかもわかりません。

 

本書で私が特に共感できたのは、「無いものを作る」というところです。著者は、「頭の良さとは、突き詰めると、無いものをイメージできること」だと言います。

 

そのために、想像力を育むことを練習しなければなりません。「この後どうなるか」を考えることも練習だそうです。それと、アイディアを自由に発信できる環境も必要です。「いいねぇ」とか「やってみよう」という環境が、子どもアイディアを後押しします。

 

それともう一つ、著者は「ゾーン」という言葉を使っています。いくらやっても疲れない、いくらでも打ち込める感覚です。これをうまく引き出すには、興味のスイッチをうまく引き出すことだと言っています。

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