人前で話をするのが上手くなりました。救ってくれたのは数や量ですね。(その2)
あらかじめ用意していたテーマからずれてしまっていいんです。準備していたテーマから外れてしまっても、自分が話している中で熱が入ったとこであるなら、そのことを話した方がいいんです。なぜなら、今その瞬間に熱が入って感じていること、それこそが聴衆に訴えるものになるからです。それに、一見、関係のないことのように思えても、話している間に頭に浮かんでくるっていうことは、何かしらの関連付けが頭の中でなされているっということなんです。冷静に考えれば、今話しているテーマから遠いところにあるものが頭に浮かんだとします。けれど、それっていうのは頭の中では、お互いに近い位置に存在しているんです。それを上手く口にできると、プレゼンに生々しさとか、水々しさ、リアルさっていうのが出てきます。あらかじめ用意していたものではない、その場で作った、できたてのプレゼンです。あらかじめ用意してきた料理ではなく、その場でお客さんに合わせて作られた、オーダーメードのプレゼンです。それができるようになると強い。
この頭に浮かんだものを口に出すっていう作業は、「たとえ話」という形を使うと、上手く話せると思います。強化すべきは、「たとえ話」なんです。確かにたとえ話っていうのは、話をしたりものを書いたりする際の一つのテクニックではあるんですが、本質部分に結構近いテクニックでもあると思います。根っこの部分では、たとえ話という枝葉は、「人前で話をする」という木の幹の部分に繋がっているはずです。
たとえ話を主軸にして、話を組み立てる、というかしていくと、上手くまとまった時間、話せると思います。話しているテーマがあったとして、それでも頭に浮かんでくるっていうことは、どこかで関連のある内容のはずなんです。「共通点は何か」という視点で見て、たとえ話として成立させます。話しているテーマと、頭に浮かんだ別のことの共通点を見つけられると、上手くたとえ話として成立するんです。
「子ども非行」というテーマで話している最中に、昨日、買い物に行った時のことを思い出したとします。その時に、無理に思い出された内容を忘れようとするのではなく、「顔ものに行った際に、何か非行に関連することがなかったかな」と思い出してみます。「生意気な子どもがいなかったかな」とか「イライラしている親はいなかったかな」とか「チンピラが好きそうな雰囲気が街になかったかな」とか。そうして共通点を見つけると、「例えば昨日、買い物に行った際にこんなことがありました」という話口で、後に続けることができます。たとえ話が出来上がるんです。これを使えるようになると、即興に近いプレゼンができるようになります。
それと、上手いたとえ話というのは、聴衆に身近な内容のたとえを持ってくることにあります。話をする人というのは、自分の頭の中にあるものを聴衆に伝えようとして話をするわけで、聴衆には基本的に頭の中にないか、圧倒的に情報量が不足している状態です。話してよりも。だから、話し手は聴衆にとって新しいことを伝えようとしているわけです。聴衆の頭の中にはないことを、基本的には話そうとしている。そうでなければ話す意味がないですから。新しいことというのは、なかなか聴き手には理解できないものなので、聞き手の身近なものを使って説明する。これがたとえ話になります。聴衆の頭の中にゼロの状態から新しい情報を放り込むのではなくて、すでに聴衆の頭の中にあるものを示して、「それと同じですよ」「これと同じですよ」と言ってあげる。
「私が話している内容は、あなたにとっては真新しい内容かもしれませんが、完全に経験がないものでは有馬sん。あなたはこんなことをしたことがありますね? それと同じです」と、聴衆にとって身近なものに移して考えを示してやる。そうすると、聴衆はゼロから組み立てるのではなく、理解を組み立てる際に、頭の中にもうあるものを使えるので、話を組み立てて理解するのが圧倒的に楽になります。
このたとえ話っていうのは、本来であれば聴衆の身近なものに例える必要があるのですが、この「何が聴衆にとって身近か」「何に例えれば理解の組み立てが聴き手にとって楽か」というのは、当日のその場の瞬間にしか分かりません。だから、即興というのが必要なんです。あらかじめパワーポイントや台本を用意したのでは、その場のインスピレーションから考えついた関連先(たとえ話)を上手く口に出す流れにならないと思います。
その場で頭に浮かんだこと、というのは、その場、その瞬間に聴衆から話し手が受けたイメージです。そのイメージを、本来のテーマと関連づけて話すと、たとえ話を主軸とした上手いプレゼンができるようになります。
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プレゼントの無料小冊子を更新しました。「子どもの非行を防ぐための素直な頭のつくり方」です。
非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。
子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。
頭の柔軟性があり、状況や相手に応じて変化できる事。自分だけでなく、相手の考えも認める事ができる事。一つ上から全体を俯瞰できる事。そんな「素直な頭」をつくるための気づきを、この小冊子から得ていただければと思います。
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