警察になって得るものは何か(その2)
お金を渡してしまったときは複雑な気持ちでした。
「俺って恐喝されたのかな」
「これって犯罪なのかな」
「でもこの先輩は本当にお金が必要で困っているのかもしれないし」
「俺に親しみがあるから連絡してきたのかもしれないし」
という自分が窮地におちいっている事を認めたくない気持ち。一緒に仕事をしていた先輩が悪人だという事を認めたくない気持ち。
なんて思っていたら、2週間後くらいにまたその先輩から電話が掛かってきて「ねえ、もう一回お金貸してよ」なんて言われました。この時に私は自分が完全に犯罪の被害にあっており、その先輩は完全に黒であることを認識しました。
「ああ、本当に脅されたんだ。」
「あの人は本当に悪者だったんだ。」
「今、自分は窮地にいるんだ」
と、なんだか情けないやら悲しいやら。
大学の友人で警察官をやっているのがいたので相談してみると、「はっきりと断れば、それ以上は言ってこないよ。」「それでもしつこいなら近くの交番に相談にいけば」とのこと。
なんだか頼りないし親身でないアドバイスでしたが、実際に警察官をやってみると、この言葉の意味がわかります。
で、2回目のお金の要求はなんとか断りました。確か
「すいません。やっぱり渡せないんですけど。」
なんて電話口で敬語を使って断ったと思います。
それに対して先輩は、何か脅し文句のようなものも言っていたような気もしますが、断ってからは電話は掛かってこなくなりました。
今、その先輩がどうなっているのかはわかりません。
(続く)
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