子どもが警察に捕まりましたが、逮捕されたのでしょうか?

2017.11.13 (月)

「検挙」と「逮捕」の違いについて説明します。

 

 

例えば前回のコラムの続きで、万引き犯人として男子高校生が捕まった場合を想定します。前回は、「警察に捕まる」ことの意味についてでした。「警察に捕まる」とは「検挙される」ことであり、「万引き事件として正式に処理される」ことです。

 

 

今回はその続きで、「警察に捕まった」ということは「逮捕された」ということなのか?つまり「捕まる」と「逮捕される」は違うのか?についてです。

 

 

万引きして私服警備員に捕まった男子高校生は、正式に万引き事件として処理されることになりました。店が被害届を出し、警察が被害届を受理することになったからです。この男子高校生は検挙されたのです。ということは、この段階で逮捕されたことになるのでしょうか?

 

 

答えは「まだ」です。この段階では、まだ逮捕されたことにはなりません。検挙には「書類のみ」の場合と「身柄付き」の場合があり、身柄付きの場合が「逮捕」と呼ばれるものです。

 

 

「書類のみ」とは、「逃げたり証拠を隠したりすることがないだろうから、身体の拘束まではしない」という処理です。「身柄付き」とは、「逃げたり証拠を隠したりするだろうから、身体を拘束してしまおう」という処理です。

 

 

逮捕されるのは犯人にとっても負担が大きいため、必要がある場合のみなのです。必要がある場合とは、「逃走」もしくは「罪証隠滅のおそれ」がある場合を言います。

 

 

「逃走」もしくは「罪証隠滅のおそれ」がある場合のみ逮捕ではありますが、何を持ってして「逃走」もしくは「罪証隠滅のおそれ」と見なすかは難しいところです。正直に言うと、解釈は時と場合によります。社会情勢や世論にも影響されますし、逮捕者によっても意見が分かれるところです。

 

 

逃走と見なすのは、例えばこんな場合です。

 

 

・犯行が凶悪

・実際に今、他の事件で逃亡している

・警察からの呼び出しに全然、応じない

・保護者がいない

・保護者が当てにならない

・職質から逃げようとした

・住居不定

・余罪多数

・重大な余罪がある

・非行歴が多数

 

 

罪証隠滅と見なすのは、例えばこんな場合です。

 

 

・実際に証拠を隠そうとした

・共犯者がいて、連絡されるおそれがある

・素行不良者との交流がある

・犯罪に対して黙秘している

・犯罪に対して否認している

・事件を知っている人間を脅迫するおそれがある

 

 

このように、検挙とは「書類のみ」と「身柄付き」に別れており、「逃走」もしくは「罪証隠滅のおそれ」がある場合に「身柄付き」として処理されます。この「身柄付き」の処理のことを、逮捕と呼ぶのです。

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