子どもが万引きしてしまいましたが、警察に捕まったのでしょうか?
「警察が犯人を捕まえる」と言う言葉の意味について説明します。
この言葉の意味には使う人によって幅がありますが、だいたい「検挙」の事を指します。検挙とは、警察が犯人を見つけて、事件の犯人として正式に処理する事です。
例えば、万引きの110番通報を受けて、警察官がショッピングモールに行ったとします。ショッピングモールの警備室で警備員と一緒にいたのは男子高校生です。この男子高校生は、ショッピングモール内のスポーツ用品店でスポーツタオル1枚を万引きしようとして、私服の警備員に見つかった様です。
ショッピングモールに着いた警察官は、警備員から男子高校生が万引きしようとした状況を聞きます。
そして、男子高校生からも状況を聞きます。間違いなく万引きしようとしたのか。そうであれば、なぜ万引きしようとしたのか。
どうやら男子高校生も万引きしようとした事を認めており、警備員の話している内容と状況は一緒です。この男子高校生は万引き犯人に間違いありません。ではこの男子高校生は、この段階で検挙されたのでしょうか。この段階で「警察に捕まった」となるのでしょうか。
この段階では、まだ検挙はされていません。と言うのは、この男子高校生は万引き犯人ですが、万引き事件の犯人として正式に処理されるかどうか、この段階ではまだ決まっていないからです。
この後、店が被害届を出し、警察が被害届を受理すれば、正式に万引き事件として処理されることになり、検挙となります。被害届の提出・受理があって初めて、男子高校生は「警察に捕まった」ことになるのです。
万引き犯人であっても、万引き事件として正式に処理されなければ、検挙とはならず、捕まったことにはならないのです。
万引き犯人であっても万引き事件として正式に処理されないケースとは、どんな時でしょうか。それには2つのケースがあります。店が被害届を出さないケースと、警察が被害届を受理しないケースです。
店が被害届を出さないケースは多々あります。「被害が大したことないので…」「相手はまだ子どもですし…」「被害届を出すと面倒だし…」「反省しているようなので…」などです。この場合、男子高校生は気合を入れられて帰ることになります。お店の人や警察官に叱られ、最低限として親には連絡されるでしょう。
警察が被害届を受理しないケースはほとんどないはずです。もしあるとすれば、男子高校生と事件との繋がりが薄い場合でしょうか。「その男子高校生が犯人です。」と言う店に対し警察が「そうとは言い切れませんよ」と言う場合です。誤認の可能性が高い場合は被害届を受理せずに、店を説得する場合もあります。
このように、万引き犯人だとしても正式に事件として処理されなければ「検挙」とはならず、「警察に捕まった」ことにはならないのです。
「警察に捕まった」とは、事件の犯人として正式に処理される場合であり、被害届の提出・受理があった場合なのです。
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