武器としての決断思考 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー
人生には決断しなければならない場面がいくつもあります。小さい事から大きい事まで、人生は決断の連続と言えます。
そんな日々訪れる「決断しなければならない時」に、私たちはどのように決断しているでしょうか。論理的に考えて決断しているでしょうか。自分の好みに任せて決断しているでしょうか。それとも自分では考えず、誰かの答えを聞いてそれに従っているだけでしょうか。
もし、日々訪れる「決断しなければならない時」において、良い決断するための武器を持っていたら、人生はもっと良い方向に流れて行くと思いませんか?
本書では、ディベートを元にした決断思考を紹介しています。賛否両論を自分の頭の中で整理するのです。
著者は、「この世に正解なんてものはない」と考えます。ですので、ディベートは、「基本的に正しいことはなんだかよくわからないから、議論を通して”今の最善解”を考えていこう」というものです。
多くの人が勘違いしているかもしれませんが、ディベートとは相手を論破することではありません。あるテーマについて2チームに分かれてお互いに「相手の考えにツッコミを入れる」のです。が、相手を論破するのが目的ではありません。
ディベートとは、第三者を説得するものなのだそうです。相手側が「参りました。」と意見を変えるのが目的はありません。分かれた2チームのどちらの意見が優れているかを判断するのは、第三者なのだそうです。
ディベートの方法について多くの紙面を割いていながら、本書の最後で著者は、ディベート思考を人生において活用することを説いています。おそらく本当に言いたいことは人生における考え方なのだと思います。
・この世に正解なんてものはない。
・正解がわからないから動かないのではなく「今の最善解」を導き出して、とにかく行動することが重要。
・根拠を比較して得た結論を、とりあえずの「答え」にしよう。
・前提が間違っていたら修正して、また行動すればいい。それが、さらなる最善策に近づくための「決断思考」だ。
・自分の人生は、自分で考え、自分で決めて行く。
・思考停止だけは避けるべき。
著者が最も言いたいことは、上記のようなものです。もし自分に「夢や目標があって、だけど決断できない」という人であれば、本書をお勧めします。
巷に根拠のない「自分の信じる道を進め」「直感を信じろ」的な本が溢れている中で、根拠のある方法で背中を押してくれます。地に足のついた方法で、夢や目標までたどり着くための方法を教えてくれます。
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