家庭で何をすれば、社会から子どもの非行をなくせるのか
キーワードは「視野を広げる」ってことだ。「社会から子どもの非行をなくす」と言う大きな目的を達成するために、家庭では何をすればいいのか。自分がいつもいて身近にある「家庭」から、「非行をなくす」と言う目的に沿って社会に影響を与えるには、何をすればいいのか。
そのキーワードになるのは、「視野を広げる」と言うことだろう。一人一人の視野を広げることである。もしかしたら「一人一人の視野を広げたところで」なんて思ってはいないだろうか。「自分一人が視野を広げたところで」なんて考えてはいないだろうか。大丈夫。「視野を広げる」とは伝播性があるものである。一人一人が意思を持って視野を広げれば、その影響は社会全体に波及する。
一人、視野の広い人間が現れれば、その周囲の人間も視野が広くなる。「周囲」って言うのは、距離的に近いってことだけど、物理的な距離の近さとは限らないはずだ。インターネット経由での影響が大きいので、頭の中での距離の近さや、繋がりによる距離の近さである。
家庭で一人一人が、視野を広げること。視野を広げるとは、「学ぶ」とも言える。自分で試行錯誤を自分で繰り返す。悲観してはならない。ひたすら高い目標に向かって泥臭い実験をし続ける。
漫画「キングダム」では、「大将軍とは、自分の力でこの戦場を変えられる、と信じている人間だ」というようなことを言っていた。そのとおり。戦況は自分の力で変えていくものだ。必要なのは、人からもらった借り物の知識ではない。自分で目標を立てて、自分で考えて、自分で行動して、失敗を自分が負って、そして立ち直ってまた行動へ移す、ようなサイクルなのだ。
絶えず視野を広げようとする姿勢こそが、社会を変えるために必要なことであって、それは個別の一人一人がやらなければならないことだ。それを「抽象的で現実感のない方法」とは思わないでほしい。とても現実的で、なおかつ大事なことだ。
一人一人が視野を広げようと試行錯誤を繰り返す。そこから生まれるものは、決して悪い方向に行くものではない。それほど「考える」というものを信じているし、目には見えない「思考」というものに可能性を見ている。
非行だけでなく、犯罪も、交通違反も、マナー違反も、全ての原因は、視野が狭いことにある。視野が狭く、全体を見られていないから、一部分を全体だと勘違いしてしまうから、歪んだ行動をしてしまう。自分とは違う考えの人間がいるのは当たり前だ。だって自分の目でしか世の中を見られないし、自分の耳でしか音を聞くことはできない。
本当の意味で、相手に身になることはできない。だから、「自分以外の価値観の人間がいる」とか「価値観は人それぞれ違うものだ」っていう前提に立って身の回りの出来事を見なければならない。客観の視点は想像するしかない。「相手はこう思っているんだろう」「あの人の立場的にはこうなんじゃないか」っていう想像が必要だし、「間違っているのは自分かもしれない」っていう謙虚さが想像するためのタネになる。
家庭でやるべきことは視野を広げようと試行錯誤することだし、それこそが社会から子どもに非行をなくす確実で地に足のついた方法なのだ。
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