非行の兆しとは何か

2019.09.04 (水)

非行の兆しとは何なのか。ネットで検索してみると、色々出てきますよね。「夜遊びをするようになったら非行の兆しだ」とか。「タバコを吸うようになったら非行の兆しだ」とか。「ゲームセンターに出入りするようになったら非行の兆しだ」とか。いろいろ出てくるんですが、どれもどこか短絡的だと思いませんか。「う〜ん、そうかもしれないし、そうでないかもしれないなあ」みたいな。安易に決めつけすぎ、という感が否めません。

 

 

というのも、世の中では価値観の多様化がいわれています。いろいろな考え、価値観の人間を認めよう、というものです。特に日本は四方を海に囲まれていて、「外国の文化が伝わりにくい」とか「外国人が陸から入ってこられない」という特徴があり、画一的な価値観、画一的な見方が当たり前になっています。「こうであればこう」という一方的な決めつけが、社会にはたくさんあります。その中の1つのように思ってしまうんです。

 

 

夜遊びをするようになったら非行の兆しだ」とか。「タバコを吸うようになったら非行の兆しだ」とか。「ゲームセンターに出入りするようになったら非行の兆しだ」とか。そんなのどっちだっていいじゃないかと思います。物事には二面性があって、物事には表と裏があります。確かに夜遊びと非行、タバコと非行、ゲームセンターと非行、などというのは結びつきやすいのですが、そこに因果関係があるのかというと、どうも納得できません。

 

 

兆しというのは、そんなに具体的なものなのか、と思うのです。私は兆しとして、もっと抽象的なものを想像します。私は非行の兆しとして、イライラを挙げます。イライラが溜まりに溜まると、トラブルに発展し、さらに溜まると非行に走るのです。

 

 

というのも、警察官をしていた時に感じたのですが、非行やイライラとは、ハインリッヒの法則に例えることができます。ハインリッヒの法則というのは、アメリカの損害保険会社の技術・調査部の副部長をしていたハインリッヒが1929年に出版した論文に載っていた法則です。

 

 

1件の重大な事故や災害の裏には、29件の軽微な事故や災害があり、更にその裏には300件の事故や災害には至らなかったヒヤリハットがある。というのです。私も体感としてこれと同じことを思っていて、1件の子どもの非行の裏には、29件のトラブルがあり、更にその裏には300件のトラブルには至らなかったイライラがある。と思うのです。

 

 

ハインリッヒは、事故や災害を防ぐにはヒヤリハットに対する対処だと行っています。子どもの非行に対する対処も同じで、対処すべきはイライラの方であると思うのです。

 

 

イライラや、怒りっぽさや、自己中こそが非行の根本、ということになります。イライラ、起こりっぽさ、自己中こそが、非行の兆しなのです。

 

 

イライラしないようにするには、優しさを育むことです。イライラのような負の感情ではなく、正反対の正の感情である優しさを育むことによって、世の中からイライラをなくします。

 

 

では、イライラをなくすにはどうすればいいでしょうか。それは、相手と仲良くなってしまえばいいのです。難しいことではありません。仲の良い相手には、イライラしにくいですよね。仲の良い相手には、厳しい態度を取りにくいですよね。

 

というわけで問題は、どうやって相手と仲良くなるか、なのです。相手と仲良くなるには、自分と相手との共通点や似ている部分を見つけることです。同じ趣味の人間と仲良くなりやすかったり、同じ出身の人間に親近感を感じるのと同じです。共通点や似ている部分を見つけると、相手に対して優しくなれるのです。

 

 

これは、相手の身になって考えるのと同じです。「相手の気持ちを、自分ごととして察すること」それが思いやりであって、相手の身になって考えることです。それには共通点や似ている部分を見つけることです。

 

 

更に、共通点や似ている部分を見つけるには、抽象化思考が必要です。物事を抽象化して見る視点です。これを持つと、自分と相手、バラバラに見えるものが1つに重なります。自分と相手を重ねて見られるようになるのです。

 

 

水彩絵の具を思い出してください。紫色を作ろうとして赤色と青色を混ぜようとする時、水で薄く溶いた方が、お互いに混ざりやすいですよね。この水で溶くような作業が、抽象化になります。輪郭がぼやけて広がりやすくなります。

 

 

細かいところにこだわらず、細部を気にせず、具体にとらわれないこと。それが抽象化です。本来違うものどうし(自分と相手)を、重ね合っているように想像するには、薄めるしかありません。輪郭を貸して、行きます。広がりを持つようになり、全てを包括していきます。三毛猫とブルドッグを抽象化すると、猫と犬となり、更には哺乳類という共通項でまとめられるようになります。更に言ってしまえば動物というもっと大きなくくりでまとめられます。

 

子どもの非行をなくすには、根本であるイライラをなくすことであり、それは優しさです。相手に優しくするには仲良くなる必要があります。そのためには、自分と相手の共通点を見つけることです。共通点を見つけやすくするには、身の回りを抽象的に眺めることが必要です。

 

 

「非行の兆しとは何か」という問いには、兆しが根本であると考えると、イライラであるのではないかと思います。

 


 

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非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。

 

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