こども孫子の兵法 〜 非行や子育てについて考えるためのブックレビュー
子どもに、強くしなやかなこころを育てるための本です。孫子の中から、24個の言葉を選んで、子ども向けの訳や説明書きやイラストを入れた本です。
とりあえず、漢字には全て読み仮名がふってあります。漢字の知識が少ない子どもでも、平仮名さえ読めれば、本書は読めるようになっています。
とっつきにくいかと思ったのですが、イラストが子どもの興味を引くようなユニークなものですので、そこから入っていけるようです。6歳の未就学児に与えたところ、イラストとそこ書かれているセリフをとりあえず読んでいました。
イラストやセリフだけでなく、本文や説明書きも読んで欲しいのですが、そう簡単にそこまではいかないようです。イラストやセリフを読んで、まだ「?」とピンと来ない様子でしたが、いずれピンチの時にこの本を思い出して欲しいと思います。
大人であればどこかで聞いた事がある24個の言葉ですが、大人でも大きな発見もあります。まず子どもの社会にも応用できるという発見。
確かに子どもの社会は、大人の社会に負けず劣らず厳しいものです。成績の競争あり、いじめなどの人間関係もあり、最近では家庭でも子どもが虐待などでピンチになる事態になっています。そんな社会の中で、うまくサバイブするための方法として非常に参考になります。
それと、漢文の美しさに気づきます。24個の言葉それぞれには、漢文も一緒に載っています。私は受験勉強以来、漢文を読むことは今までありませんでした。「上兵は某を伐つ」や「兵とは詭道なり」や「智者の虜は、必ず利害に雑う」など、漢文が持つ力強さやテンポの良さを、改めて気づかされています。
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