「本当の国語力」が驚くほど伸びる本 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー
勉強になる本です。国語力の養い方を中心とした子どもへの関わり方を、この本から勉強することができました。
著者は型を重要視します。「型を与えるべきか」「自主性に任せて待つべきか」という永遠の問いに対し、著者は「与えてから待つ」というスタイルを取るといいと説きます。
完全に子どもの自主性に任せては、身につくものも身につきません。確かに子ども自身が自主的に動くまで待つのも大事なのですが、それは「型を与えた後」だという主張です。
このように型を重要視するスタイルは本書にも現れており、本書はいい意味で、型にはまった国語力の養い方を提供してくれます。「国語の力をつけるにはこれ」と本書の中ではっきり述べられており、曖昧なものを示されるよりもわかりやすいです。
しかもその型は、読んでいて納得できるものなのです。著者の主張は国語力=論理」であり、確かに他の国語の先生と違うことを言っているわけではありません。しかし、他の国語の先生よりも、示しているものがより具体的でわかりやすいのです。
例えば私は、今まで「因果関係」が曖昧でした。「○○だから●●」と言われても、「百パーセントそうとは限らないだろう。違う意見の人もいるのではないか」と、何か釈然としないものを持っていました。
そのつっかえを取ってくれたのが、本書の中での「多くの人がなるほどと納得できるかどうかが因果関係の判断基準。より高い客観性があるかどうか。そのためには多くの人の考えを推察できるようにすること」という説明です。「百パーセントでなくてもいい」という説明が、私に取って非常に為になりました。
本書は、はっきりとした「国語の力の養い方の型」を提供してくれるものです。本の隅から隅まで勉強になりました。
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