イライラの原因は、交通事故を見ていると分かる

2019.08.02 (金)

10年ちょっと警察官として仕事をしてきたんですけど、警察官っていうのは本当に言い争いに立ち会う仕事です。言い争いの中で仕事をしているようなものです。おそらく、この言い争いの向こう側に犯罪というものがあるのだと思います。ピラミッドの石のように言い争いが積み重なっていって、ある一定のラインを超えた言い争い。ピラミッドの頂上の2〜3段の石が、晴れて(?)犯罪となるのでしょう。犯罪の下には、犯罪になり損ねた言い争いが、実際に犯罪の何十倍も存在しているのです。

 

 

特に交通事故だと分かりやすいと思うのですが、言い争いにはコミュニケーションの核が隠れていると思うんです。交通事故に言い争いっていうのはよく付随するものなのですが、この言い争いを見ていると、「世の中のコミュニケーションの本質がここに凝縮されているな」と思います。

 

 

同じ交通事故の当事者どうしの言い争いは、永遠に平行線のままです。二つの線が交わることは、決してないでしょう。なぜなら、お互いにその交通事故の一部分しか見ていないにも関わらず、そのことに気づかす、「自分が見えているものが事故の全てだ」と言わんばかりの勢いで相手に迫るからです。で、相手も同じように考えて迎え撃ちます。

 

 

一方は自動車という製品のタイヤだけを見て「これが自動車というものだ」と言い、一方は自動車という製品のフロントガラスだけを見て「これが自動車というものだ」と言い、その上で「どちらが正しいか決めようじゃないか」と争っているようなものです。永久に溝は埋まらないでしょう。

 

 

交通事故という全体像のうち、当事者に見えているのはごく一部です。なぜなら、「自動車」という視界が極端にさえぎられた中にいる間に発生したものが、事故だからです。自動車という鉄の箱の中にいて、その上、運転手は周囲の様子をゆっくりと見ている暇などありません。自動車の中のフロントガラスの一点を見ているにすぎません。それなのに、そこから見えた映像だけで交通事故を判断しようとします。これが立場、ということになります。

 

 

さらにこれに、感情が入ります。ただでさえ人間は、自分のミスを認めない生き物なのに、特に男の人にとって、自動車の運転とは特別な意味を持ちます。世の中の若者にとって自動車に対する熱が冷めてきているとはいえ、一度自動車を運転すると、そこには男としてのプライドのようなものが存在します。「男性の8割は、自分が周りよりは運転がうまい」と思っており、自動車や自動車の運転とは、譲れないプライドの争いの側面があるのです。男にとって、自分の運転ミスで交通事故を起こしたなど、認めたくても認められるものではありません。男にとってそこは、譲れない一線なのです。

 

 

 

立場と感情の存在(に気づかないこと)。これによって、同じ事故について話しているにも関わらず、話が決して交わらないのです。交通事故にも関わらず、このことは実社会にも同じような例がいくらでも転がっているのではないでしょうか。

 

 

現場と経営サイドでは、立場が違います。違う意見が出て当たり前です。それなのに、現場の人間は経営サイドに対して「生の声を知らない」と言い、経営サイドは現場の人間に対して「視野が狭い」と言います。おそらく仕事では、現場の声を踏まえた上での広い視野が求められると思うのですが、お互いが自分が見ている一部を全体だと勘違いしています。

 

 

世の中のイライラの全ては人間関係に由来しており、なぜ人間関係がイライラするかというと、コミュニケーションにズレがあるからです。このズレは、立場と感情に由来するものです。これは交通事故に例えると分かりやすく、当事者どうしは自分の側からしか事故を見ることしかできず、しかも「自分のミスは認めたくない」という感情が混じるので、ズレなくコミュニケートすることが不可能なのです。このズレに気づかないで話をするから言い争いになるのであって、このことが、世の中のイライラの全てなのだと思います。

 

立場と感情のズレを認識することが、イライラをなくすためのヒントになりそうです。

 


 

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