高校3年生の18歳は、深夜徘徊の補導対象になるのでしょうか

2020.01.22 (水)

基本的には、ならないでしょうね。

 

 

警察による少年補導の「深夜徘徊」っていうのは、どこの県にもある「青少年健全育成条例」っていうのが法的根拠になっているんです。青少年健全育成条例で、子どもが深夜に徘徊することを、「健全育成上ふさわしくない」と判断するので警察が深夜徘徊として未成年を補導するのですが、その青少年健全育成条例では、18歳未満を青少年としているんです。ですので、18歳になっているのなら、たとえ高校生でも深夜徘徊としての補導対象にはならないでしょうね。

 

 

難しいところだと思いますよ。もしかしたら、それぞれの県によって、各警察署によって、個々の警察官によって、認識が違うのかもしれません。判断が分かれるところなのかもしれません。元々、18歳から20歳の間って、グレーゾーンだと思うんですよ。「子どもなの? 大人なの? どっちなの?」ってな具合で。

 

 

「疑わしきは罰せず」とか「疑わしきは被疑者の利益に」っていう言葉もあります。警察官としても、グレーゾーンな場合は腰が重くなるし、手を出しにくい場合がほとんどです。なので、「高校生だけど18歳」なのであれば、深夜徘徊として少年補導されないでしょう。

 

 

これだと不公平感が出てくることも多いと思うんです。同じ学年の高校生が、夜に公園でたまっていたとして、その中の一部は補導されて、一部は補導されない、みたいな。18歳で線が引かれて、たとえ一緒に遊んでいたとしても、18歳の線より年齢が上の者はお咎めなし。18歳の線より下の者は補導されるってことにもなります。

 

 

で、こういう場合に警察がどうするかというと、まあその場の個々の警察官の判断によるんですが、全員をお咎めなしにするケースも考えられるでしょうね。あくまで可能性の一つですが。たとえ18歳未満が混ざっていても補導をしないってことです。注意するだけで、少年補導として処理をしないってことです。不公平感がでると、「それってどうなの?」って反発が出ることが予想されるんですよね、「妥当性があるの?」とか。で、やっぱり警察っていうのは、反発がでることが予想されると、手を出さないことが多いんです。

 

 

でも、職務質問自体は「18歳の高校生」に対してもできますからね。そこは勘違いしないように。よく警察が職務質問をすると、「オレ、悪いことなんか何もしてないのになんで職質されるの?」とか「18歳になってるのに何で職質?」みたいなことを言われるんですけど、職務質問自体は、誰にでもします。

 

 

職務質問は、警察官職務執行法が法的根拠になっていて、それによると第二条に

 

 

警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。

 

 

とあります。

 

 

なので、何らかの犯罪の可能性があるのなら、職務質問ができるわけです。これっていうのは結構、応用が効きまして、要は警察官が個人的に「怪しい」と思ったら、その個人的な「怪しい」を「犯罪の可能性」、上の第二条条文の「何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由」とすることができるんです。

 

 

よく使うのは、「目をそむけたように見えた」ってところですけどね。警察としては職質をしたいんです。具体的に悪いことをしていなくても、悪いことをしていそうに見えたら、職質をして話を聞いたり、名前やら住所やらを聞きたい。そもそもそうしないと、隠れている犯罪を暴くことができないですし。そんなときに、職質する理由、職質した理由として「自分(警察官)を見て目をそむけた(様に見えた)」ってのをよく使います。実際は目をそむけていなくても、目をそむけた様に見えてすらいなくても、そんなことわからないんで、「目をそむけたように見えた」っていうのは、よく使いますね。

 

 

だから、職務質問っていうのは誰に対してもできるってことです。少年補導と職務質問は別物です。おそらく、警察の対象側としては、名前やら住所やらを聞かれたり、「何をしているのか」と聞かれたりするのが嫌だと思うんです。だから「何歳までが補導の対象なの?」ときになると思うんですけど、少年補導に該当しなくても、警察としては、名前やら住所やら「何をしているのか」やら、色々と質問できるってことです。聞き出すだけの法的根拠は、いくらでも理由をつけて用意できるんです。だから、「もう18歳になったから、何をしていても大丈夫っしょ」とか「18歳になったら、『18歳だよ』って言えば、警察は手出しできないっしょ」と思うのは、軽率なので控えたほうがいいですよと。

 

 

高校3年生の18歳は、基本的には少年補導されません。ですが、個々の警察官でもその場の状況でも、「例外」はいくらでもあるし、色々と聞き出す理由はいくらでも用意ができるので、油断しないほうがいいし、悪いことはしない方がいいですよ、と。

 

 


 

 

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