キレる若者に育つのを防ぐ方法

2020.05.08 (金)

キレる若者を防ぐにはどうすればいいのか。普段から、自分の考えを相手に伝えることをするべきだ。

 

 

自分の考えをうまく伝えられないのではないか。だから、手っ取り早く相手に伝える「怒り」を持ち出すのだ。おそらく人間には、表現したいという欲求が根本的にあるのだと思う。自分が考えていること、まで至らなくてもいい。考えというある程度の形になっていないまでも、悶々とした思いである。

 

 

それを相手に伝えられないでいるのだ。何事も、溜まったら吐き出さなくてはならない。パソコンのストレージだって、データを貯めていったらどこかで容量がオーバーしてしまう。定期的にデータを吐き出して、いらない写真や動画を削除しなければならない。

 

 

自分の住みよい社会を作るには、自分の思い通りに周囲を変えるには、自分の思いや考えを周りに伝えなければならない。そうでなければ、自分の欲求は何も通らないことになる。

 

 

牛乳を飲みたいと思ったら「牛乳を飲みたい」と表現しなければならない。そうでなければ、いつまでたっても牛乳は飲めない。眠いと思ったら「自分は眠い」ということを周りに伝えて寝られる環境を作らなければならない。そうでなければいつまでたっても眠ることはできないだろう。

 

 

「生活する」とか「生きていく」という根本の部分において、根っこの部分の欲求においてすら、表現することが必要なのである。表現することなしに人は生きていくことができない。

 

 

なので、表現することの練習を小さいうちから積んでおくことが必要になる。「自分はこうしたい」「自分はこんなことを思っている」「自分の考えはこうだ」というのを、できるだけ相手に伝えられる手段である。

 

 

その手段として一番てっとり早いのが、言葉である。アート、音楽、絵、写真。表現の方法は様々あるが、何もなくともできるのが、言葉に思いを乗せて相手に伝えることだ。

 

 

うまく言葉に乗せる事ができないから、溜まりに溜まったものが暴発してキレる事になってしまうのだ。普段から少しづつ、自分の考えや欲求を周りに伝え、自分の思いどおりの社会を作っている人にとっては、キレる必要なんかない。

 

 

普段やり慣れていない人が、急にやろうとするから上手くいかないのだ。普段、カメラをいじったことのない人が急に写真展に写真を出すことになったとして、即座にカメラの腕が上がるわけではない。急に人に見せられるだけの写真を撮れる様になるわけではない。

 

 

普段からカメラをいじり、自分の写真を形にしていなければ、写真を撮れるようにはならないだろう。積み重ねなのだ。

 

 

楽器だってそうだ。普段、ピアノを触ってもいない人が、急に「ピアノを人前で弾いて下さい」なんて言われたからと言ってどうすることもできない。鍵盤をただ思い切り叩いて終わりになってしまう。そうならないためにも、普段からの練習が必要なのだ。

 

 

言葉も同じ様なもので、積み重ねていないといざという時に出てこない。いくら「別にいいや、自分には『こうしたい』なんて欲求なんてないし」なんて言っていても、100パーセント何の欲求もなく生きている人なんてのはいない。

 

 

気付いていない中で、あるいは気付いていても無視している中で、少しづつ叶えられない欲求が溜まっていくものなのだ。欲求が溜まっていくのも自然だし、心にも精神にも容量があって無尽蔵ではないので、それを吐き出さなくてはならないのも自然である。

 

 

息を吸って吐くように、欲求も溜まったのを吐かなくてはならない。息を吸うばかりでなく、吐く練習をしよう。自分の考えを相手に伝えることを学ぼう。

 

 

もしかしたら、「言っても無駄だ」とか「どうせ伝わらない」なんて思っているのかもしれない。半ば諦めているのかもしれないけれど、諦めてはいけないし、諦めたからといってやらなくて済むものでもない。生きている限りはやらなくてはならないし、そうでなくてはキレることになってしまう。

 

 

いざという時にキレないように、キレなくても済むように、自分の考えや思いを伝える術を磨こう。言葉によって身の回りが確実に変わることを認識しなくてはならない。

 

 

なので、子どもを持つ親としては、子どもが表現しやすいように環境を整えてやらなくてはならない。「環境を整える」と言っても、何かを買わねばならないことではないし、どこかへ引っ越さなくてはならないことではない。気持ちの問題だけである。

 

 

子どもが表現したことはできるだけ受け止めた方がいい。受け止められないでいたら、表現することを諦めてしまう。目に見える効果がある方が、やり甲斐は感じるものだ。目標は実現する方が、もっとやりたくなるものだ。受け止めてくれる人がいれば、もっと表現したくなるに決まっている。

 

 

それと、親自身が言葉によって周りに伝えることを諦めてはいけない。言葉で伝えられることの有用性を、親自身が子どもの前で示せるようであるのが望ましい。

 

 

キレるのを防ぐには、普段から表現することだ。やっていないことを急にやれと言われてできるものではない。吐き出さなくては溜まっていくだけ。言葉によって自分の都合のいいように世界が変わることを認識しなくてはならない。

 

 

 


 

 

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