子どもの万引きについて納得できないことがある

2016.06.27 (月)

法律論になってしまうと、話が細かくなりすぎて趣旨が見えなくなったり、「言葉遊び」のような意味のない議論になってしまうので、法律論に足を突っ込まないようにサラッと上辺だけの話をします。

 

よく法律や法の執行者に対して「不公平だ」という人がいます。私も昔はそう思っていました。「なんで同じことをしてるのに、あの人と自分で違う扱いをされるのか」と不思議でした。そして、それは法や法の執行者が不公平だからだと思っていました。

 

しかし今になってみると、それは間違いです。法や法の執行者が不公平なのではありません。

 

不公平を感じるのであれば、それは法律に対する理解不足です。私も昔は、法律に対して「公平で完璧なもの」「社会を支える揺るがない土台」というイメージを持っていました。しかし実際は違います。法律というのは非常に不完全なもので、グレーゾーンが多く存在するものです。そこが法治主義の限界なのです。

 

なぜならそれは、人間社会という非常に複雑な現象を、法律ですべて白黒つけるのが不可能だからです。

 

法律は明文化されているものです。しかし、いくら言葉を選んで文章をつくったとしても、社会で起こりうる現象をすべて網羅することはできません。「この場合はどうなの?」という疑問が必ず出てきます。そこで今度は法律をどう解釈するかというステップが出てくるのですが、その解釈に、差が出てくるのです。解釈の基準は言わば個人の考え、フィーリングであり、「世の中の常識に照らし合わせて・・」などというあいまいなものです。

 

そこに不公平感がでてくるのです。それは「この場合こう。だけどこの場合はこう。」という差です。人によっては「俺だけ損をしている。なんで法律が不公平なんだ」と思ってしまうのです。

 

法律は非常にあいまいなもの。法治主義とは、そのような曖昧なものを土台にした体制ということを認識する必要があるのです。

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