仙台市民でなければ宮城県人ではないのか〜それゆけ! 論理さん

2020.06.30 (火)

 

今まで読んだことが無いのも恥ずかしいんだけど、初めて論理学の本を読んだ。学校の授業で勉強したようなしていないような‥。もう忘れてしまったか。

 

 

確かに論理をわかっていないと、日本語‥というか言葉で伝えるのが難しくなる。論理をわかっていないと、相手の誤謬のあるロジックにまんまと騙されてしまう可能性だってあるし、自分の意見を言う時に論理的に誤謬を含む内容を作ってしまうこともある。

 

 

「自分でもわかっていなかったなあ」と気付かされたし、為になったのは「逆・裏・待遇」の章。「AならばB」という命題に対して、「BならばA」と順序を入れ替えた命題を「逆」。肯定否定を入れ替えて「AでないならばBでない」としたものを「裏」。「BでないならばAでない」と、逆にして裏にもしたものを「待遇」と呼ぶ。

 

 

元の命題が真である場合、逆と裏が真であるとは限らない。「真である」と言えるのは待遇だけなのだ。

 

 

仙台市民であれば宮城県人

たとえば「仙台市民であれば宮城県人」という真の命題があったとする。これを逆にすると、「宮城県人であれば仙台市民」となるのだが、これは真だろうか。真とは限らない。仙台市民とは、宮城県人の中の一部である。大崎市民もいるし、石巻市民もいる。宮城県人であっても、そのすべてが仙台市民だとは限らない。

 

 

今度は裏にしてみよう。「仙台市民であれば宮城県人」の裏は、「仙台市民でないならば宮城県人ではない」となる。これも真ではない。これでは仙台至上主義になってしまう。こと宮城県ないし仙台市に限ってはこの傾向が無くはないが、ちゃんと他の市民や町民や村民のことも考えてほしい。「仙台市民でなければ宮城県人ではない」なんてことはない。裏が真だとは限らないのだ。

 

 

さらに対偶である。「仙台市民であれば宮城県人」を裏にして逆にしてみると、「宮城県人でないならば仙台市民ではない」という対偶になる。今度は真になる。宮城県という大きな枠の中に仙台市があるのだ。「宮城県人でない」のならば、自動的に仙台市民でもなくなる。

 

 

以上が、わかりやすい逆・裏・待遇の例である。ここだけ読むと、「なんだ、そんなの当たり前じゃん」なんて思うかもしれないが、これが文章の中にあったり話の中に巧妙に、あるいは突然に含まれていると、間違った論理で納得してしまう可能性もある。

 

 

例えば虫歯になると歯が痛くなるが、歯が痛いからと言って虫歯だとは限らない。「AならばB」が真だとしても、逆である「BならばA」が真だとは限らないのだ。

 

 

部活で先輩から「明日、晴れたら外走るからな〜」なんて言われたとして、晴れた場合は外を走ることになる。が、では雨だった場合はどうか。一般的に考えれば、「雨が降れば外を走ることもない」と考えがちだが、「晴れたら外を走る」とは、「晴れなかったら外を走らない」ではない。裏が真だとは限らないのだ。

 

 

「晴れたら外を走る」という命題は、あくまでも「晴れたら外を走る」という意味であって、天気が晴れ以外の場合のケースについては何も言っていない。もしも「晴れ以外の天気の場合は?」と気になるのであれば、「雨だったら?」「曇だったら?」と確認しなければならない。論理的にはこの場合、雨でも外を走る可能性がある。

 

 

論理法則を紹介

論理法則についても初めて知った。三段論法は知っていて、なんとなく「他にもあるんだろうな」とは思っていたけれど、ここで代表的なものを知ることが出来た。

・推移律 AならばB。BならばC。それゆえ、AならばC

・前件肯定式 AならばB。A。それゆえ、B。

・後件否定式 AならばB。Bでない。それゆえ、Aでない。

・選言的三段論法 AまたはB。Aでない。、それゆえ、B。

・構成的両刀論法 AまたはB。AならばC。BならばC。それゆえ、C。

・背理法 Aを仮定して矛盾が導かれたならば、Aでない。

 

 

 

面白いのは、どれも「当たり前」に感じること。誰がどう考えても、納得せざるを得ない。それが演繹。そのくらい強力なものなのだけれど、それだけに「飛躍がない」ということでもある。新しい情報は入ってこない。ここに帰納法や仮説形成の出番があって、演繹と帰納法・仮説形成を組み合わせることによって、新しい情報を交えつつ地に足のついた論理展開が可能になる。「おいしいとこだけ」というわけにはいかない。演繹と帰納、一長一短なのだ。

 

 

魅力はマンガ

この本の魅力は、なんと言ってもマンガである。固くなりがち、面白くなくなりがちな内容を、マンガという表現方法をとることで具体的で直感的に理解することができる。ただし、「マンガだから面白い」というのは早計で、これはおそらく担当した漫画家の方の力量、さらには念入りな(うまい?)打ち合わせの結果なのだろう。マンガという表現方法と、論理学という内容がうまくマッチしている。

 

 

読んでいてマンガのパートがちょくちょく入ってくるのだけれど、違和感ないし、邪魔にならないし、むしろ理解を助けてくれる。

 

 

 


 

 

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