夫婦喧嘩、原因解明の鍵は生命進化にあった。夫婦間のイライラと怒りをなくす方法

2020.07.01 (水)

「物事を客観的に眺める」というのは、イライラしない方法として最たるものだと思っている。イライラや怒りの原因の多くは、距離が違いことにある。対象に対して思い入れを強く持っており、盲目的になっているのだ。

 

 

たとえば「A大学に受かりたい!」と思っている人は、A大学受験に対して盲目的になる。受験に成功すれば喜ばしいが、失敗すれば精神的に不安定になる恐れがある。対照しか見えていないので、近道をまっしぐらに進むことになるが、周りが見えていないので、道が逸れば周回遅れになることもあり、その場合のイライラは甚大だ。

 

 

たとえば「甲子園に行きたい!」と思っている高校球児は、甲子園に対して盲目的になる。まっしぐらに進んでいくことはできるが、その分、甲子園以外の道を絶たれることになる。甲子園に対して盲目的であればあるほど、それ以外の道が無くなっていくことになる。もしも予選で負けて甲子園に行くことが出来なければ、突っ走っていた分、精神的にイライラもするだろう。

 

 

イライラや怒りの原因は、距離が近いことにある。距離をおけば、そのものが上手くいかなくてもイライラせず、「そんなものか」と思うことができる。

 

 

夫婦喧嘩はイライラの原因の最たるものだと思うが、これも距離をおくことで外から眺めることができる。夫婦喧嘩というものを客観的に眺めることで、思い入れを無くすのだ。

 

 

イライラの原因である夫婦喧嘩。その夫婦喧嘩の原因は、子育てに対するスタンスの違いである。

 

 

一般的に、父親は子育てに対してドライなのに対し、母親は子育てに対して積極的である。これは昨今の話題になっている文春砲にも見て取れる。文春砲によって有名人の不倫スキャンダルが白昼にさらけ出されているが、これは父親が家族や子育てに対してドライであることを表している。多く位の場合、伴侶以外の人との関係をもって文春砲で叩かれるのは父親の方だからである。

 

 

どうして男性は不倫をしてしまうのか。どうして男性は家族に対してドライなのか。どうして男性は女性よりも子育てに対して興味がないのか。その秘密は生命進化にある。男性は、不倫などの行動を通じて遺伝的成功を最大化しようとしているのだ。

 

 

「生存とは、遺伝子を伝える機会を提供する戦略のうちの一つに過ぎない」

人間という狭い視点ではなく、生物という広い視点で見てみると、遺伝子を伝える機会を最大化することは、生存よりも優先されるのである。

 

 

サケは、遺伝子を残すと同時に死んでしまうようにプログラムされている。カマキリやクモは、自分の命を危険にさらしてまで交尾をしようとする。遺伝子の伝達は、生存よりも優先されるのだ。

 

 

父親が子育てに対して母親よりもドライなのは、あらかじめプログラムされた生物としての生存戦略である。どうしてドライなのか。要因は3つあって、

・投資義務の大きさの性差

・子育てによって失う繁殖機会の差

・親であることの確からしさの差

となる。

 

 

投資義務の大きさの性差

出産という行為は、男性よりも女性の方がリスクが高く、女性の方がより多くのコストを掛けている。出産によって死ぬ男性はおそらくいないが、女性は出産によって死んでしまうリスクを負っている。受胎後も9ヶ月にわたって時間とエネルギーを胎児に捧げなくてはならない。

 

 

本来であれば、男性と女性がお互いに、受胎直後に次の受胎に向かって行動を起こせば、遺伝子をより多く残す機会を得られるのだろうが、女性はそうもいかない。投資したコストを回収するため、宿した子どもをしっかりと育てようとする。母親のほうが、父親よりも子どもに対して愛着が湧くものなのだ。

 

 

子育てによる繁殖機会の差

女性は妊娠期間とこそ当て期間が長いので、時間を拘束されており、ふたたび子どもを作るためにはある程度の期間をおかなければならない。夫以外の男性と関係を持ったからといって、出産する子どもの数が劇的に増えるわけではないのだ。

 

 

それに対して男性は、倫理観抜きに考えれば、次々に遺伝子を残すことができる。というか、妊娠と子育てに専念している女性を置いておいて、次々に交尾相手を探した方が、繁殖機会を多く得ることができる。繁殖機会に、男女差があるのだ。

 

 

親であることの確からしさの差

最後の理由は、男性が「自分は、その子どもの父親である」という確信を、いまいち持てないことである。「もしかしたら他の男性の子どもなのではないか」という疑いが拭いきれないのだ。

 

 

多くの哺乳類の場合、母親は生んだ子どもが「自分の子どもである」という確信を持っている。というのも、子どもは直接に自分の体から出てきたからだ。鳥や魚と違って卵から生まれたわけではない。子どもが自分の遺伝子を引き継いでいることは、ほぼ確信できる。男性はその疑いを晴らすことができないがために、他にも自分の遺伝子を残そうとする。

 

 

このように、男性が家庭に対してドライなのは、遺伝子に組み込まれたプログラムなのだ。不倫だって、自分が考えて選択して決定したように思えても、「自分でしたように思うこと」事態が、プログラムされた思考様式である。

 

 

生存とは、遺伝子を伝える機会を提供する戦略のうちの一つに過ぎない。男性は遺伝的成功を最大化するように生存方法を選択しているだけなのだ。

 

 

‥という風に、生命、進化、性差、自然淘汰というワードを基に考察してみた。これは夫婦喧嘩や不倫を助長しているわけではなく、「夫婦喧嘩や不倫を客観的に見るとどうなるか」という視点であり、その目的はイライラや怒りを無くすことである。

 

 

イライラや怒りの原因は距離が近いことなので、距離をおいて客観的に眺めることによって、対象を落ち着いて見られるようになる。ただまあ、だからと言って寛容的にはなれないかもしれないけど‥。

 

 

 

 


 

 

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