警察は落とし物をいつまで探してくれるのか
遺失物取扱状況なんて統計があるんですね。
拾い物の件数
拾得届け受理状況は、平成30年が
拾得件数 4,140,328件
現金 3,839,216,773円
物品点数 4,495,413点
となっています。「お巡りさん、これ落ちてましたよ」という感じで警察や交番に拾ったものを届けた件数が、4,140,328件。拾われてくるを現金と物品に分けて、平成30年に拾われてきた現金の総額が 3,839,216,773円、物品が全部で4,495,413点、ということになります。
ちなみに平成29年は
拾得件数 3,958,366件
現金 3,748,892,896円
物品点数 4,231,855点
となっています。
無くしものの件数
遺失届の受理状況は、平成30年が
遺失件数 1,047,533件
現金 8,408,422,957円
物品点数 2,394,722点
となっています。これは、「お巡りさん、こんなもの無くしました」っていう届け出の件数が、平成30年は1,047,533件、「現金を無くしたんですけど」っていう届け出の無くした現金の総額が8,408,422,957円、無くした物品の合計が2,394,722点という意味です。
ちなみに平成29年は
遺失件数 1,019,955件
現金 8,343,614,845円
物品点数 2,2911,347件
となっています。
落とし物は、落とし主に返るのか
平成30年は
遺失者返還
件数が595,630件(14.4パーセント)
現金が2,822,625,944円(72.6パーセント)
点数が1,319,529点(29.6パーセント)
となっています。これは、全体としては無くしたものの14.4パーセントが、落とした人に返っている、ということです。で、そのうちの現金に限ってみれば72.6パーセントが返っていることになります。物よりもお金のほうが、落とし主に変える率が高いんですね。「物を無くした!」っていうよりも「お金を無くした!」って時の方が焦りは高いんでしょうし、拾った方もそのことをわかって警察に拾った現金を届け出るのでしょう。「落とした人は困っているんだろうな」という想像力が働いて、「これは警察に届けでなけりゃならん」と思うんでしょうね。
現金を落とした場合、現金っていうのは大抵、財布とかバッグに入れられているものでしょうから、落とし主がわかるんです、ですけど、これが現金が何に入っているわけでもなく、そのまま落ちているとしたら、その持ち主を探すのは難しいでしょうね。
例えば現金がそのまま落ちているのが拾われてきたとして、その後で「自分が落とし主だ」という人が現れた場合、その時の状況で合理的に考えて「その人が落とし主だ」と判断できる場合に返しています。例えば、落とした時の状況と、拾われてきた時の状況が食い違いがないとか。難しいんですけどね。
警察は落とし物をいつまで探してくれるのか
で、「いつまで警察は探してくれるのか」ですけど、基本的には探さないです。交番のお巡りさんとか、警察署にいる警察官たちは、「こんな物を無くしました」っていう届け出があった場合、届け出を受理するのみです。町中に出て、草の根を分けて落とし物を捜すのかというと、そういうわけではありません。実際には落とし物のデータを入力して終わりになります。
というのも、探している時間も無いでしょうし、警察官が探したところで見つからないでしょう。警察官よりも警察官以外の人の方が圧倒的に多いので、拾われてくるのを待ったほうが効率がいいです。警察として仕事をしていると、落とし物って肌感覚ですけど頻繁にあります。とくに都会の交番なんかではひっきりなしに「落とし物ですよ」とか「拾い物でえす」っていう届け出があるんです。
けど、それを専門に探す人なんてのはいないし、落とし物を探すための時間が設けられているわけでもない。日常業務の片手間に落とし物や拾い物の処理をしているっていう感じです。なので、もしも警察に遺失届をだしたからといって、警察官自身が探して見つけてくる、ということは期待しないほうがいいです。警察も受け身なので、誰かが警察に届けてくれたら遺失者に連絡する、というスタンスです。
詳しくは
落とし物とか拾い物ってけっこう複雑で、「所有権はどうなるの?」とか、「拾ったお礼ってどうするの? するの? しないの?」とか、「拾われてきた物はいつまで警察に保管されているの?」とか、細かいところを見ていくと結構奥深いんですよ。
落とし物とか拾い物にまつわるトラブルや不安も少なくない。「拾ったんじゃなくて盗んだんじゃないの?」とか「拾ってやったのにお礼も無いのかよ!」とか「拾った相手にお礼するのが怖い」とか。手続きからズレたことをすると、失敗の元になります。
細かい手続きに関しては、ここのページに詳しく載っているので、気になる方は見ていってください。
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