シェイクスピアのマクベスを読んで古典文学を読む意義について考えてみた〜マクベス

2020.07.24 (金)

 

最近、古典に凝っている。現代小説ではなく、なにゆえわざわざ読むのが面倒な古典を読むのか。古典を読む意義は何か。

 

 

まずは、「アウトプットの際に利用しやすい」というのがある。文章を書く際のレトリックに引用があるけれど、古典は引用しやすいのだ。古典文学は多くの人が読んだことは無いのだろうけれど、同時に知っているものでもある。「聞いたことはあるけれど読んだことはない」のが古典文学なのだ。

 

 

古典文学に対して多くの人が、読んだことは無いけれど「何かすごいもの」というイメージを持っている。そんな古典からの引用を文章の中に放り込んで、「(古典文学の登場人物を指して)〇〇も言っていたように」とすれば、自分の意見の補強に使うことができる。

 

 

無名の人間の言葉を引用するよりも、有名な古典からの引用のほうが信用度が高いし、「これは自分だけの意見ではないんですよ。昔から言われてきたことなんですよ」という雰囲気を文章の中に引き込むことができる。古典とは文章を書く時に引用しやすいのだ。

 

 

古典を読むことの意義の2つ目は、「自己肯定感を高められる」ということだ。さっきも言ったように、古典とは多くの人が「知ってはいれど読んだことのない」ものだ。「読むのに難解」というイメージがあるし、実際に読破するには理解力や想像力、それに忍耐力も必要。読む前のハードルもあるし、実際に読み始めてからのハードルもある。誰しもが簡単に読めるものではない。

 

 

そんな古典を読んだということは、「他の人が出来なかったことをしている」ということであって、それは自分の自己肯定感を高めるのに役立つ。自身につながる。日本人のほとんどが、月に一冊も本を読んでいないと言われている今、古典なぞ読んでしまえば、それだけで希少な存在になれる。「希少な存在であって、周りとは違う」という自己満足が、意外と自分を奮い立たせてくれるのだ。

 

 

古典を読む意義の3つ目は、「視野が広がる」ということだ。古典文学とは世の中に影響を与えた物語であるが、ずいぶんと時代が下った現代の僕たちが古典を読んでも、その影響力を本当の意味で知ることは難しい。というのも、僕たちが生きている現代とは、すでに古典の影響力が染み渡りきった世の中だからだ。

 

 

例えばアップルのスティーブ・ジョブズがアイフォーンを世の中に出した時は、誰もが驚いた。手の中に収まるサイズの、丸いボタンが1つついた、ただの四角いディスプレイ。それがこんなにも世の中を一変させるとは誰もが思わなかった。

 

 

というか、このアイフォーンが世の中に出された瞬間に、誰もがその単純な発想から来る影響力に即座に驚いたのではないか。「なんだ、こんなことで良かったのか」と。携帯電話と、インターネットと、アイポッドの組み合わせ。この組み合わせが、こんなにも面白いものになるとは、スティーブ・ジョブズの周りの人間に以外、誰もが想像できなかった。

 

 

今、特に若い人ほどアイフォーンを当たり前のように使っている。大学の頃にガラケーを使っていた僕でさえ、アイフォーンがなかった時代を思い出すのは難しいので、今の20歳代の人なんかはアイフォーンがない時代のことなんて想像できないだろう。

 

 

古典を読むことの意義は、アイフォーンがなかった時代を想像することに似ている。僕たちの周りには当たり前だと思っていることが色々と転がっているが、何にでも始まりはあるもの。古典を読むことで、その始まりを知ることができるのだ。

 

 

というのも、世界は古典によって変えられてきたからだ。今僕たちが当たり前だと思って使っている言葉のフレーズの多くは、シェイクスピアの作品から始まったと言われている。今住んでいる世界が当たり前で、今使っている言葉が当たり前だとしか思えないようでは、あまりにも視野が狭いだろう。

 

 

僕たちの周りにある当たり前がいつ始まったのか。それを、古典文学によっても知ることができるのだ。今僕たちの周りにあるアイフォーンは、2007年のアップルのイベントでのプレゼンから始まった。歴史の転換点だ。

 

 

シェイクスピアが世の中に与えた転換は、言葉だ。僕たちが日常使っている、言葉に対するイメージが、シェイクスピアの作品から始まったものなのだ。

 

 

「楽しんでやる苦労は、苦痛を癒やすものだ」

 

 

このセリフは、マクベスの二幕三場に出てくるセリフだけれど、現代人の多くが、このセリフと同じような事をすでに感覚として持っているのではないだろうか。一般的には「大変だ」と思えるようなことでも、楽しんでやることで苦痛ではなくなる。

 

 

たとえば、息を切らせながら筋肉をいじめながらするスポーツも、大勢で楽しんでやるから、続けられる。甲子園に出場するような野球チームの厳しい練習風景を見て、多くの人は「あんなことは自分にはでいない」と思う。それはそうなのだけれど、本人たちは楽しんでやるから、苦痛を苦痛とは思わないのだ。

 

 

僕がわざわざこんな事を書かなくても、多くの人は「楽しんでやる苦労は、苦痛にならない」ことくらいわかっている。それは、マクベスのような、シェイクスピアのような古典によって、世の中に広められた「当たり前」なのだ。

 

 

古典を読む意義は3つ、あげられる。「アウトプットの際に利用しやすい」のと、「自己肯定感を高めやすい」のと、「視野が広がる」のだ。

 

 

 


 

 

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