万引きして捕まっても、警察官になれますか?(2)
そうは言っても警察官を増やしたい実情というのは、全国の警察官の数が減っているからです。
まず、警察組織は大量退職時代を迎えています。昭和50年代に大量に採用された人間が今、退職期に入っています。昭和50年代は警察官の採用人数が大幅に増えた時期でした。この時期は団塊の世代の就職期でした。そしてさらに、学生運動が活発に行われた時期でもありました。頻発する過激な学生運動に対抗するため、治安の担い手である警察官の採用枠を、首都圏を中心に大幅に増やしたのです。その後、この時期に採用された人材組織は支えられてきたのですが今、それらの人材が大量退職時代を迎えているのです。
次に、応募者数が減ってい現実があります。全国の警察官採用試験の受験者数は平成22年をピークに減少傾向にあり、競争倍率も年々下がっています。
平成22年 136,845人(競争倍率9.5)
平成23年 125,638人(競争倍率8.5)
平成24年 122,917人(競争倍率8.6)
平成25年 110,635人(競争倍率7.5)
これは日本の景気回復により、相対的に公務員よりも民間企業の人気が出てきたこと。日本の人口減少により、就職希望者自体が減った事が原因と考えられます。
警察官の人数が減ると、組織の維持が困難になります。そしてもし、現状の組織維持が困難になれば組織を縮小せざるを得なくなり、それは治安維持に弊害が出ることを意味します。警察組織は人材を確保したいので、現状は採用されやすい傾向にあります。
このように「万引きして捕まっても、警察官になれますか?」の答えが「なれる可能性は小さくなるが、ゼロではない。」となるのは、警察官にモラルを求める世間に答えたい実情と、そうは言っても警察官を増やしたい実情があるからです。
もし警察官への憧れを持つ、万引きの過去がある人がいるのなら、あきらめないで頑張って下さい。
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