子どもの非行を防ぐキーワードは、余裕
余裕があるかどうか、これが大事になる。子どもの非行防止を考えた時に、何が大切か。それを一言で言うと、「余裕」ということになるだろう。余裕を、経済的余裕、心理的余裕、思考的余裕の3つに分解して説明したい。
まずは経済的余裕。単純にお金があるかどうかの問題にもなるのだが、拝金主義にもなりかねないニュアンスなので、少し説明したい。「無理をして生活しない」ということだ。日々生活していると、子どもを育てていると、背伸びをして生活したくなるだろう。それを抑える、ということだ。具体的なことを言うと、ローンは控えるべきだろう。いまだに家や車を「聖域」と考えて、家や車を買うためならローンを仕方がないと考えている人がいる。というか、考えていないから「ローンを組む」ということになるのだろうが、ローンは自分を縛ることになるので、余裕とは真逆のものだと言っていい。
私はどちらかというとミニマリストなので、物を所有することを「悪」だと考えている。ゴチャゴチャと色々なものを持って生活しているのは、地下鉄の中で音楽を聞くようなもので、雑音が多くてうまく集中できなくなるのだ。そこで生活をシンプルにしてみると、お金も使わなくなるし、こんなに良いことはない。なんのことはない。結局は、気持ち次第なのだ。たしかにお金をかけて高価なものや便利なものを買ってもいい生活をできるのかもしれないが、所有することにお金をかけない生活も、それはそれで快適なのだ。好きな音楽を地下鉄の中で聞くのと、静かな場所で聞くのでは、静かな場所で聞いたほうが良いだろう。ノイズが入らないので、集中できる。考えが一箇所にまとまっていくのだ。シンプルなミニマリスト的生活とは、静かな場所で好きな音楽を聞くようなものなのだ。
心理的余裕とは、おおらかさのことだと思ってもらえばいい。怒らない、イライラしない、ということだ。具体的に言えば、細かいことにこだわらない、となるだろう。「どっちでもいい」と考えるのだ。たとえば、「どうして自分がやらなければならないのか」と思うこと、ないだろうか。人と一緒に生活していると、一緒に生活している相手は、なかなか自分の思う通りに動いてくれない。元々合った場所に物を返せないし、頼んだこともやってくれないし。そんなときは自分でやるしかないのだが、それを「しょうがない」と思えることが、心理的余裕であって、おおらかさや寛容さと言われるものなのだ。
最後に思考的余裕であるが、これは柔軟さである。考えの柔軟さだ。物事に一長一短があることをわかっていること。目に見えている表側のウラには、目に見えない面があることをわかっていること、である。例えば、誰もがうらやむ有名人。多くの人が、一度は有名になりたい、と思ったことがあるのではないだろうか。けれど、有名人は有名人で大変なのだ。「有名税」というのを聞いたことがあるだろう。人の視線が集まるので、動きが取れなくなるのだ。発言をすればあげ足を取られるし、街を歩けば視線を集めるし。誰かが言っていたが、有名になるとは、目立なくしようとすることらしい。
それと、誰もが避けたいと思っているニートという存在。なにかと社会の底辺だとか思われているニートであるが、彼らを私らのような一般的な価値観に縛られない存在、と考えると、これほど羨ましいものはない。偉大な哲学者というのは、人に気づかれること無く世の中に大きな影響を与えてきたものであるが、彼らは総じて、世の中の一般的な人とは違う価値観を持っていたのだ。大勢の人がやっていることに対して疑問を持ち、自分だけは違う道を進もうと考えたり。「多くの人がやっているからといって、正解とは限らない。他に道はないのか」と考えて、他の道を試行錯誤してさがした人たちなのだ。
例えば、今、多くの人が労働に対して疑問を持っているのではないだろうか。ベーシックインカムを実践するべきかどうか、真剣に社会では考え始められているが、「労働しなければ生きていけない」という世の中に、疑問を持つ人が増えている。ニートとは、そんな僕たちの疑問を先取りした人たちなのではないだろうか。
「労働はおかしい」「どうして働かなくては生きていけないのか」とは思っても、実際に「じゃあ働かないで生きていこう」と働かない人生を選択する人は少ないだろう。それを誰よりも疑問に思って、実践せずにはいられないまでに至った存在が、ニートと言われる人たちなのだ。そう考えると、ニートの人たちに対して「底辺だ」とばかりは言っていられない。なぜならかられは、先駆者だからだ。誰よりも働くことに疑問をもち、誰よりも疑問に持ったことを行動して確かめずにはいられない。そんな自分ごととしての当事者意識を強く持った人たちなのだ。柔軟に考えれば、ニートですら底辺ではなくなる。要は考え方次第、ということだ。
無理をしないで生活する経済的余裕、おおらかさのある心理的余裕、柔軟に考える思考的余裕。これらの余裕があると、世の中から犯罪や非行なんてなくなるだろう。非行や犯罪に走らなくても十分に幸福な人生を歩めると分かるからだ。
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ようやくできました。「妄想スナイパー理論」です。タイトルとしては、「インパクトがある方が人目につくかな」と思って、こんなタイトルにしていますが、中身は「犯罪と非行をなくして、思いやりを育む方法」になります。
思いやりってけっこう、掴みどころのないものだと思うんですよ。昔から「思いやりを持ちなさい」とか「思いやりが大事です」なんて周りから言われることは多いと思いますが、「それって何なの?」と聞かれた場合や、「それってどういうこと?」と深く知ろうとした場合、それと「どうやって持つことができるの?」となった場合に、うまく答えられないと思うんです。
そこで、一つの具体案として、「スナイパーのようなものだと」というのを示したいと思います。スナイパーとは、遠くから銃で相手を狙う、狙撃です。思いやりとは、スナイパーのようなものなのです。もちろん、思いやりっていうのは頭の中のことなので、実際に銃なり狙撃なりはしませんが、遠くから狙うすスナイパーと思いやりっていうのは、似ています。
スナイパーと思いやりはどうして似ているのか。スナイパーと思いやりの間の共通点とは何なのか。スナイパーと思いやが似ているのだとしたら、思いやりを育むにはどうすればいいのか。そんなことを、この小冊子には載せてみました。35,222文字です。目次はこちらで公開しています。
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