非行の兆しを見せた子どもの心理とは
非行の兆しを見せた子どもの心理はどんなものか。例えば街でバイクを爆音で乗り回してる彼らは、何を思ってそんな行動をとるのか。
自分の存在を社会に向けてアピールしていると思うんです。「自分もここにいるぞ」と。「こんなことができる俺がここにいるぞ」と。社会にあらがっているんだと思うんです。
我々人間には「人よりも優れている存在でありたい」という欲求があります。これは悪いことではなく、個を持った人間ゆえの欲求です。
だけど、誰もが「人よりも優れている」わけではありません。世界には圧倒的多数の人間がいるので、成長して世界の広さを認識するにつれて、「自分がその他一般でしかない」ことがわかってきます。
だから、あらがっているんです。「その他一般」になってしまう自分を、社会に生きるみんなが忘れられないように。自分を社会に印象付けたいんです。だけどいい方法がない。特別に勉強ができるわけでもない。何か得意なスポーツがあるわけでもない。
だから安直な方法に走ってしまうんです。
「そうだ、バイクで市内を乗り回して、バイクに詳しいのをアピールしよう。」
「そうだ、夜のコンビニでたむろして、悪をアピールしよう。」
「そうだ、万引きだってできるってのをアピールしよう。」
安直な自己アピールの方法、それが彼らの心理なのだと思います。
だから、騒がれたり話しかけられたりすると、喜ぶんですよね。「自分がどんだけの人間か」ということを、しきりに訴えてきます。「今までこれだけ悪いことをしてきた」というのを教えてくれます。「だから忘れないでくれ」って言っているようなものです。
自分がいる社会に対しても、大して満足していないようです。「自分は彼らとは違う」と言わんばかりです。
「学校が面白くない」
「クラスがやばい」(「変なのばっかり」というニュアンス)
などと仕切りに言っています。
非行の兆しを見せた子どもたちは、社会に存在をアピールしたくて「自分はここにいるよ」と叫んでいる。そんな心理なのです。
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