子どものやる気に頼るな、仕組みに頼れ〜目うろこコトバ
勝間和代さんの、心に刺さる言葉を50個、記載した本です。7年前に発行された本ですが、多くの言葉が今読んでも心に刺さります。不思議なもので、格言のように短い言葉でスパッと言われると、何やら「そうだよなぁ」と見にしみる感じがあります。
特に子どもと接するときに出る嫌な自分を、戒める効果を感じました。子どもと接していると、子どもが大して抵抗できないのをいいことに自分を通そうとする自分がいます。そのような、嫌な自分とどう接したらいいか。結果的に、子どもを素直に成長させるにはどう接したらいいか、考えるきっかけになりました。
もっとも共感できた言葉として選ぶのは、「やる気に頼るな、仕組みに頼れ」です。子どもと接する際や部下と接する際、相手が思い通りに動いてくれないと、相手に対して「やる気がないなぁ」という思いが出てくると思います。せっかく買った玩具、せっかく始めた習い事、せっかく与えた指示。
子どもが玩具を使わなくなった際、子どもが習い事に興味を持たなくなった際、部下が指示を聞かなかった際、私たちは、その結果を相手の「やる気」のせいにします。
ですが、自分が提供したことに相手のやる気を期待すること自体が間違っていることなんですよね。子供の玩具や習い事、部下に対する指示、与えたからと言って、相手がその通りに動こうが動くまいが、それを決めることは私たちにはできません。相手次第なんです。
ですから相手に思い通りの行動をとって欲しいなら、私たちにできることは、相手のやる気に期待することではありません。相手が行動してくれる仕組みを作ることなんです。
子どもが玩具で遊び続けられるように、習い事を続けられるように、インセンティブを整えることです。部下が指示通り動けるように、指示通り動けなくなる要因はないかと考えを馳せることです。そうでないと、ついつい怒ったりイライラしたりして、余計に思い通りの効果を得られなくなります。
やる気に頼るのではなく、仕組みに頼るのです。
他にも本書には、刺さる言葉がたくさん書かれています。
・ほしいものがわからずにチャンスはない
・言葉にすることが、思考である
・この世にタダ飯などない
・1番ピンを狙え
・上司は思いつきでものを言う
・Giveの5乗で行こう
・努力不足が被害者意識を生む
・叱る量の5倍ほめろ
・1日0.2パーセントの改善は1年で倍になる
・努力は、かけた時間によって測定できる
・事実などない。認識だけだ
・問題は当事者が認めるまで悪化する
・人は消去法でしか学べない
・空気を読んで、それに逆らえ
・ゼロイチ思考で考えるな
・許しには、力がある
ぜひ読んで見てください。目うろこコトバの魅力のみならず、本の魅力や読書の力をも感じるはずです。それだけの魅力を持った一冊になっています。
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