意見が軽い人への処方箋。自分の意見を持つにはどうすればいいか
あなたの周りに「意見が軽い人」はいないだろうか。その人の意見を聞いても
「まあ、それはそうなんだけど‥」
「確かにそうではあるんだけど‥」
「それは前提なんだけど‥」
と、いまいちストンと落ちるような意見を言うことが出来ない人。あるいは、もしかしたらあなた自身がそうなのかもしれない。どうしたら周りの人に「そういう考えもあるね」と納得してもらえるような意見を言うことができるのだろうか。
軽い意見とは、一般論であることが多い。右から左に流しているだけ。テレビで聞いた内容。本で読んだ内容。それらを自分の意見として発信するケースだ。たとえば子育てをどうしたらいいかについて、「タブレットやスマホなどに子どもを触らせないと、時代遅れになる」とテレビで子育て評論家が言っていたとすると、その内容をそのまま、自分の意見として言ってしまう。
知り合いと話をしているときに、聞いた内容をそのまま発信する。本人には、「聞いた内容をそのまま発信している」という認識はない。おそらく「自分はこう思う」という意識で発信しているのだと思う。ただ、「自分はどう思うか」というゼロベースでの意見の構築がないのだ。普段から頭の中で自分の意見を組み立てる事をしていないのではないか。
他人の意見、専門家の話、本の内容。すべて自分の意見を発信するときの補強材だ。あくまで中心や前面にあるのは自分の意見。自分の意見を効果的に伝えるための援軍として、他人の意見を活用すべきだ。
ただただ自分の意見を言っただけでは心もとない。足場のないところに家を建てるようなもので、その意見は薄く、頼りなく、反対意見など言われたらすぐにでも吹き飛んでしまうような感じを相手に与えるだろう。
そこで出てくるのが、補強材だ。比喩だったり、過去の自分の経験だったり、他人の意見だったり。中でも他人の意見は、補強材としては強力だ。というのも、すでに実績があって、名が通っている人の意見である場合が多い。人は誰でも自分に自身がなく、それに比べて他人は強く見える。自分の意見に心もとない場合でも、「〇〇専門家の〇〇さんも同じことを言っているし」「これはあの有名な〇〇さんの意見なんだけど」と付け足せば、薄かった自分の意見は途端に厚みを増し、根を張るものになる。
ただ、そこで注意しなければならないのが、他人の意見を前面に出すことである。そのまま使うことである。自分の意見を支えるための補強材としてではなく、そのまま商品として据え置くことである。そんなことをすれば、心もとない自分の意見以上に、その意見は心もとなくなるだろう。本来であれば頑強なはずの補強材は、なんの補強にもならず、本来の力を発揮できない。
というのも、使われる環境が違うからだ。テレビで専門家が、多くの人が納得するような含蓄のある意見を言っていたとして、それはその場の状況にうまくマッチしていたから、納得と含蓄を引き出すことができたのだ。
たとえ同じテーマについて話しているとはいえ、あなたがいる状況は、テレビで専門家が話していた状況とは違うものだ。聞いている人間だって違う人間だし、話を切り出すタイミングだって違う、テーマだって深度が別物。完全に同じ状況など無い。
話題やテーマというのは水物であって、1つとして同じものはない。その状況状況によって違うので、そのまま流用すると、状況に合わない事を言っていることになる。たとえそれが数々の実績をあげた超大物インフルエンサーの意見であったとしても、場に合わなければ、大河に浮かぶ木の葉のようなもの。非常に心もとない。
大事なのは自分の意見なのだ。大河にあって川底まで土台がつながっているようなしっかりとした意見を言うには、まず自分の意見があって、その上で、補強材としてどの専門家の意見をつなげるか、だ。
しっかりとした自分の意見をいうには、どれだけ多くの専門家の意見を聞いたかという蓄積ではなく、いかに状況に合う専門家の意見を持って来られるかという結合の技術が必要だ。
まずは自分の意見を言う。それは、おそらくあなたがいる場、状況に合ったものになるだろう。そのうえで、自分の意見を補強するためにどの人の意見を持ってくるかを過去の蓄積から考えるのだ。確かに蓄積はあった方がいいが、その蓄積のどこと合うのか、結合の技術が試される。
自分の意見を持つには普段からの習慣が必要で、「他人はああ言っているけど自分はどう思うか」「あの人はこう言っているけど自分の場合はどうか」などと考える時間が必要になる。一日に数十分、一週間に数時間でいいので、マインドマップをつくるような、自分の意見を構築する時間がほしい。
ただ、完全にゼロベースの意見などありえないことにも注意が必要だ。自分が考えた意見とは思えど、その意見は他人の意見の組み合わせである。意識していない、記憶のないレベルでの、他人の意見の積み重ねが、自分の意見を作っている。
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