「国語は論理力」と言えど、そこまでガチガチな論理ではない〜小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本

2020.12.05 (土)

 

読解問題と記述問題、両方で発見があったので記しておきたい。

 

 

ちなみにこの本は

パート1 読解問題

パート2 記述問題

パート3 作文問題

パート4 過程で教える作文トレーニング

パート5 学年別作文と書き方

という構成になっている。

 

 

「国語は論理」とは言っても、そこまで厳格な論理というわけでもない

大人になって本を読むようになって、その中で「国語の問題」にも興味を持つようになった。「本を読むようになったのだから、国語の問題もできるようになっているのだろうか」あるいは「できるようになっていて欲しい」と思っているから。

 

 

なので、「国語の解き方」のような類の本もいくつか読んでいるのだけれど、どの「国語の解き方」の本にも、「国語は論理」ということがうたわれている。

 

 

 

この本とか、それから

この本とか。

 

 

どの本にも大抵、「国語という教科は論理力で解くものだ」という主張がなされている。「国語は多くの人が感覚で解くものだと誤解している。国語は感覚でなく論理で解くものなのだ」というのである。

 

 

で、今回読んだ「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」でも「論理で解く」ということは言われていたのだけれど、「まあ、そこまでガチガチな論理力ではないな」と思った。というのも、選択問題の解答に、「総合的に考えて(ア)」とか「本文の主張に近いのは(イ)」という言い方が使われていたからだ。

 

 

「国語は論理で解く」なんて言われると、ガチガチの論理のようなものを想像してしまう。演繹のようなもの。三段論法。「横浜市民は神奈川県民である。ゆえに神奈川県民でないならば横浜市民でない」みたいな。一部の隙間もないような事実と事実の組み合わせ。そんな、まさにパズルを解くような感じの論理力を想像していたけれど、ここで言われている「論理力」とは、そこまで厳格な論理力ではない。

 

 

ただ単に、「文中に答えがあるので、その中から見つけよう」というような意味だ。でなければ「総合的に考えて(ア)」とか「本文の主張に近いのは(イ)」という言い方はしないだろう。「総合的に」とか「近いのは」という表現は、ガチガチの論理ではない。「答えに近づくのは論理力でいける、だけど最後は感覚で考えてね」というようなものだ。

 

 

だから、いくら「国語では論理力」とは言え、「横浜市民は神奈川県民だから」とか「ソクラテスは人間だから」のような、人間であればどうしてもそう考えざるを得ないような手法を使って答えにたどり着くものではないのだ。そこまで厳しい論理力ではない。国語を解くのに必要な論理力とは、「感覚が入る隙間もあるような論理力」なのだろう。

 

 

文中に対比を含めると、「わかっている感」が出る

「50字から60字で書きなさい」という類の問題の場合、答えの中に対比する対象を入れると、解答に「わかっている感」が出る。点数をもらいやすい。

 

 

たとえば、「今流行っている遊びは何ですか。文中から探しなさい」という問題が出たとして、「昔は〇〇だったが、今は〇〇である」とか。「筆者の考えを書きなさい」という問題が出たとして、「〇〇なのではなく、〇〇だということ」のような。本当の答えと、それと対比する対象、比較対象を一緒に答えると本当の答えの方も際立つ。

 

 

これは作文なんかのもっと長い文章を書くときにも使える技法で、本当の主張とは別に、反対意見も書いておくという技法だ。よく使われるのは「確かに」という表現。自分の主張7割に対して反対意見を3割くらい含ませておくと、「お、視野が広いな」という印象を採点者を含めた読者に残すことができる。

 

 

反対意見を使わないと、広いよがりに読めてしまうのだ。視野が狭くて、他の人の意見が頭にない人。自分が思ったことだけを言う人。配慮のない人。読んでいて「他の意見もあることに気づかないのかな」という印象が頭をよぎる。

 

 

それが、「確かに」という言葉を使うだけで、反対意見にも十分に配慮をしている印象の文章に生まれ変わる。「確かに〇〇という意見もあるけれど、私は〇〇だと考える」という書き方。

 

 

この対比を使う書き方が、「50から60字程度で書きなさい」のような記述問題でも必要だし有効、というのは知らなかった。確かに指定される字数制限は、対比も考えての字数制限なのかもしれない。対比するものも含めて、丁度になるような量。

 

 

全体的に

全体的にこの本は、作文に特化した内容になっている。確かに読解問題や記述問題に対する解答も載っているけれど、僕としては「作文の書き方」の方にこそ、この本独特の魅力を感じる。小学校1年生から6年生まで、細かく指導方針を分けて教えてくれているのだ。「小学校◯年生は、作文でこんな表現を使おう」とか「小学校◯年生は〇〇文字の作文を目指そう」とか。

 

 

作文に費やす時間や作文の構成など、具体的で細かく、実際の教える現場で使えそうな指導方法が紹介されている。

 

 

作文は自己表現の1つだけれど、社会では今後ますます自己表現が必要になってくるだろう。楽器、スポーツ、写真、絵画など、自己表現の手段は色々あるけれど、その基本にあるのは文章である。直接自分の気持や考えを書き表すことができるし、いつでもどこでも文章は目にすることができるからだ。

 

 

自己表現としての作文、それに繋がる国語力。ぜひ自分のものにしたい、子どもに身に着けてほしい能力である。

 

 


 

 

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