易しいけれど頼りない〜世界一やさしい問題解決の授業
アマゾンで本を買おうと思って色々な本の書評を読んでいた際に、ロジカルシンキング系の本としては「子ども向けでやさしい」「基本を押さえている」とのことでこの本が紹介されていたので購入。
これを読んで思うのは、子ども向けに質を落とすことと、実用性の両方が難しいということだろう。この本では問題解決をするキャラクターのきのこちゃんやナスビくんが出てくるが、この例えではどこか頼りない。私も中学生の頃に本や教科書を読んでいた際、うすうす感じていたことである。「どうも頼りない」と。あの時は中学生だったから、うまく理解することができなかった。
「書かれている内容はあくまで子ども用、中学生用に内容を簡略化したものであり、このまま現実に当てはめるのは難しい。もっと応用させたり発展させたりして、初めて現実に使える武器になる。けれど、基本は押さえてある。基本は押さえているので『頼りない』と避けたりせず、ぜひ身につけてほしい」
こんなことを言ってくれていたら、おそらくあの時も本や教科書に対して違った態度をとっていたことだろう。結局、私はそんなどこか「頼りない」雰囲気のする本や教科書を見て、本や教科書全体に対するイメージを「頼りない」としてしまった。
なるほど、この本を読んでどうも「過去のことがよみがえる」と感じていたのは、子どもの時に読んだ本や教科書の頼りなさがよみがえって来るからなのか。当時、私が読んでいた本や教科書が「あくまで子ども用」と分かっていたら、本に対する信頼度も違っていただろうに。そう考えると、子どもの頃に読むよんとか教科書というのは、その後の本や教科書にイメージ全体に波及する。
海外旅行のようなものだろう。初めて海外に行くと、過ごしたごく一地域のイメージが、その国全体のイメージになってしまう。アメリカのカリフォルニアの、さらには滞在したホテルを中心にした半径何百メートルかの範囲に、その滞在中というごくわずかの期間に起こったことが、アメリカという国全体の、過去から現在までのイメージになってしまう。
滞在中にたまたま寒かったとしたら「アメリカは寒い国だった」などというイメージになるし。滞在したホテルで親切な人に会ったら「アメリカは親切な国だ」というイメージになるだろう。
子どもの時に本を読むとはそんなものなのだ。あくまで子ども向けに作られた本である。何かを得るにはあまりにもごく一部すぎる。全体を本にまとめたのでは、あまりにもレベルが高くなってしまう。だから易しくした内容が、乗っている。旅行で行った海外のようなもので、その国のごく一部であって決して全体ではない。けれどそれがイメージとして定着してしまう。
子どもがこの本を読んで、「ロジカルシンキングってこんなものなの?」「本ってこんなものなの?」「どっちもどこか頼りない」というイメージを持つのではないかと若干、心配になる。
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