子どもの笑顔に表れる非行の兆しとは
虫歯です。先日会った子どもは、前歯が黒く溶けていました。笑った際に家庭環境の複雑さがかいま見えて切なくなります。
確かに普通、虫歯は他人にはわかりません。大抵、虫歯になるのは奥歯なので、他人からは滅多に見えません。それも歯医者さんかじっくり見なければわからないほどの違いです。もちろん、痛みも本人にしかわかりません。
だから、外からわかる虫歯というのは、かなり具合が進んだ虫歯ということになります。
奥歯の磨きにくくて、見えにくい箇所が虫歯になるならわかりますが、前歯が虫歯になるのは全然磨いていないのでしょう。
「黒く溶けている」という程度も問題です。私も虫歯が多い方ですが、黒溶けるまで放っておいた事はありません。
虫歯から見えるのは家庭環境の複雑さで、その子どもが非行に走るかどうかに直接繋がるものではありません。ですが複雑な家庭環境から非行が生まれるのは想像に難くないはずです。
外からわかるほどの虫歯を持っている事は、生活に余裕がないのでしょう。時間的にも、金銭的にも、エネルギー的にも。
こういう子どもを救えるのは、行政や組織ではありません。予算がいくらも必要な大々的な施作ではなく、一言の家族への「気づき」です。
余裕がなくなっているお母さんに一言「ああそうか」と思ってもらえる様なもの。そんな「気づき」を与えられるかどうかです。「子どもに歯磨きをする」、ただそれだけのことを気づかせられるかどうかです。非行の兆しは口元にも見て取れます。
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