もしも、どこでもドアがあったなら〜哲学的な何か、あと科学とか
ドラえもんのどこでもドアの話は、前々から私も気になっていたんです。もし本当に、どこでもドアがあったらどうしよう。どこでもドアがあったらどうなるんだろう。・・などと考えていたんです。で、文系の私が科学的に考えると、可能性としてあるのは、自分の体を原子レベルまで分解してしまい、それをドアの向こう側で再生するというもの。
ファックスのようなものを思い浮かべたんです。子どもの頃の私は。家に初めてファックスが来た時、母親が嘘か冗談か、「どうやったら電線の中を紙が運ばれて来るの?」のようなことを言ったんです。ファックスは離れた二地点で絵や文章を伝える手段です。送信元では、ファックス機に紙を入れるとその紙が機械に吸い込まれたます。送信先ではファックス機から、伝えたい情報が乗せられた紙が出てきます。確かにこれだと、「紙が電線の中を移動した」と考えられなくもありません。見た目をそのまま素直に信じるのであれば、紙が電線の中を移動する、という発想もありでしょう。
もちろん、実際にはそうじゃないですよね。紙が電線の中を移動するわけがないです。移動するのは紙そのものではなく、印刷情報です。送信元の紙から印刷情報を読み取って、その情報を送信先に送信。送信先では、送られてきた印刷情報をもとにして、印刷物を再現。印刷を情報を紙にプリントしてから、ファックス機から出すんです。
このファックス機を、子どもの頃に見た私は、「これならどこでもドアもいけるんじゃないか!」と思ったんです。まずは送信元で、移動したい人間の生命情報を解析、印刷。その情報を移動先に送信すると。移動先では、送られてきた生命情報から元の人間を再現。そうすれば、人間はファックスのように、離れた地点を移動することになりますよね。
でも、子どもながらに思っていたんです。移動元の体はどうなるのかと。
どうなるかは2通り、考えられると思うんです。まずは、「原子レベルまで細かくなって、原子そのものが移動する」という方法。これだと元の人間も無くなることにはならないんじゃないかと思うんです。一瞬意識はなくなるのかもしれませんが、原子レベルとはいえ、そのものが移動して、移動先で再現されるわけですから。原子レベルにまで細かくされる際に、もしかしたら「痛み」のような、不快感のようなものを感じるのかもしれませんが、次の瞬間には移動先で再現されるわけです。これは「死ぬ」とは言えませんよね。でも、果たして移動先で再現されたのは、本当に移動元と同じ人間だといえるでしょうか。というのも、細かくされて、再度作られているわけです。
次に、「移動元では生命情報のコピーがされて、情報だけが伝えられ、移動先で情報を元に新しく体を再現する」というもの。これだと、二重に体ができることになります。移動先では、伝わってきた生命情報を元に、新しく、けれど一瞬で、移動元と同じ体が作られるわけです。さて、移動元にいる、元々の体はどうするべきでしょうか。この本の内容と同じく、死ななければならないのでしょうか。
このように、ファックスのような発想で行くと、「移動先に現れるのは本当にその人か?」という問題が出て来るわけです。やはり原子そのものにしろ、生命情報のみにしろ、人間が移動できるほど細かくなって移動、という方法には倫理的な問題がついて回るのです。
だとしたらどうしたら良いか。手を加えるのは人間ではなく、その対象でしょう。人間ではなく、空間に手を加えるのです。空間を歪めて、離れている地点を近づけて、移動させるしかないでしょう。もともとワープというのはこういう発想だったのではないでしょうか。紙を折り曲げるように、離れている地点どうしを近づけます。すると、平面上ではどうしても離れている地点を、折り紙で鶴でも折るように隣どうしにすることができるのです。
そんなことを考えさせられる本でした。まあ、どっちにしろ、いずれにしろ、妄想の世界です。科学や数学に疎い、文系の人間が考えた妄想なわけです。そんなことを考えさせられる、思い出させる本でした。
「科学的に証明された」ってのが心もとない、どうしようもないものだってのも書かれてあって、そっちの方も面白かったです。やはり何事も疑うしかありませんね。
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