お互いが別々の部分を全体だと思って話すから〜なぜ、あの人と話がかみ合わないのか
「象の鼻としっぽ」の改題版だそうです。内容的には、おそらく同じです。コミュニケーションがうまくいかない理由を、「象の鼻としっぽ」を軸にした説明でうまくまとめています。
改題版ということですが、おそらく「象の鼻としっぽ」という題名では抽象的すぎたのだと思います。本の内容をうまく表した本質でありコアの部分がタイトルである「象の鼻としっぽ」なのですが、人に訴えるにはあまりに抽象的すぎたのでしょう。このタイトルでは何の本であるのか、いまいちイメージできません。
そこで今回の「なぜ、あの人と話がかみ合わないのか」というタイトルです。このタイトルは「象の鼻としっぽ」という言葉をもっと具体化した言葉と言えます。「象の鼻としっぽ」という言葉を具体化すると、「どうしてあの人は非常識なんだろう」とか「どうして人は細かいところを機にするのか」とか「どうして人は人を見下すのか」とかなのだと思います。「なぜ、あの人と話がかみ合わないのか」は、数ある具体化された言葉の中の一つなのでしょう。
インプットは抽象を意識すべきですが、アウトプットは具体を心がけるべきです。「自分には厳しく、人には優しく」です。受信する際は抽象的なものに目を向けるべきです。意識して抽象を見なければ、具体は勝手に入ってきてしまいます。人はわかりやすいものを好むので、抽象よりも具体に目が言ってしまうのです。
しかも、具体的なことばかりを受信していると、自分で考える必要がなくなってしまいます。来たものそのままを受け取ってしまうだけになってしまいます。意識して抽象的なものに目を向けるようにして、想像力を鍛えなければなりません。
逆に、人に送信する際は具体を意識すべきです。人は他人に伝える際、ついついモヤモヤのまま伝えようとしがちです。ですがそこで必要なのは、もっと掘り下げることです。抽象的な頭の中身を、具体的に掘り下げるd酢。人は誰もい好んで難しいものを受信しようとしません。簡単で分かりやすいものを優先的に受信します。ですので、もやもやとした頭の中の意見を、考えて掘り下げる必要があるのです。具体レベルにまでです。
人は具体を好みます。分かりやすいものに目を奪われてしまうのです。文字が並んだ本よりも漫画の方が楽です。漫画よりも動画の方が楽しいのです。本を読もうとすると、抽象的なので、どうしても自分の頭の中で具体に変換する作業をしなければなりません。想像したり、考えたりする作業です。これが面倒なのですが、ここをおろそかにすると、物事を表面的にしか受け取ることができなくなってしまいます。もっと抽象に目を向けると、違う世界が見えるようになります。
ちなみに、「なぜ人と人はよく話がかみ合わないのか」の理由は、物事の別々の部分を見てお互いに話しているからです。そして、お互いが別々の部分を見ていることに、お互いが気づいていないのです。本書では「どうしてお互いに別々のものを見てしまって、しかもどうしてその事に気づかないのか」について、多くの具体的な参考例を使っています。コミュニケーションの本質が分かるので、多くの人に本で欲しい本です。
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