マスメディアにあおられて野次馬になる。カツマーの動画をみて「なるほど」と思った話
僕は勝間和代さんを、意識高い系の先駆けだと考えている。
「僕が自分の人生について考えるようになった」という、たまたまそのタイミングだった。そんな時事的な要因もあるだろうけれど、「世の中で意識高い系」という言葉がもてはやされてきたタイミングで渦中にいたのが、勝間和代さんだった。
勝間さんはYou Tubeでも動画を配信しているらしい。最近、不意におすすめ動画として画面に出てきたので見てみたら「なるほど」と思う内容の動画だった。
「勝間和代の、テレビのニュースを一切見てはいけない理由を教えます」というタイトルの動画。テレビのニュースは公平でない、という内容だった。
恐怖や不安をあおる報道の仕方を、マスメディアというのはしているらしい。これについては「なるほど」と思う。
マスメディアというのは会社であって、利益を出さなければならない。視聴率を取れるような報道の仕方をするというのは子どもでも知っている事実だろう。どうすれば視聴率がとれるのか。どうすれば多くの人が自社のニュースを見てくれるのか。どうすれば人々の興味を引き寄せられるのか。それがマスメディアの望むところだ。
つまり、マスメディアの恐怖や不安をあおるというやり方は、多くの人の興味をひこうとした結果なのだ。というか、人の興味をひくには不安や恐怖をあおるのが合理的なやり方なのだ。
僕は警察での経験で、恐怖や不安がいかに人々の興味をひくかを体験している。それを物語るのは、やはり野次馬だろう。興味があるから立ち止まって野次馬が発生する。道路上での交通事故、繁華街でのケンカ、電車での逮捕劇。
何が起こったかわからないような突発的な出来事。他人が不幸になるような出来事。自分が憤怒を覚えるような出来事。そんな物が発生すると、立ち止まって覗きたくなってしまう。なるほど、恐怖や不安とは人々の興味をひくのだ。
マスメディアの報道はたしかに隔たっていて、恐怖や不安をあおる事件は報道しながら、安心すること、安堵すること、安らぐことなどはあまり報道したがらない。
これも確かにそのとおりで、僕たちは他人が安心したからといって、大して興味をひかれない。
「火事が起こりそうだったけれど、起こりませんでした」
「道路工事が完了したので、道路をより安全に走行できるでしょう」
「●●町は。治安が前よりも良くなりました」
そんなことをテレビで言われても、特別に見ようとは思わない。そんな内容、流れているのを見たことはあるけれど、意識して見ようとは思わない。それよりも、人が不幸になったニュースだ。不安をかき立てる報道だ。不安が大きければ大きいほど、恐怖が増せば増すほど、僕たちはより「意識して見よう」と思ってしまう。
「●●町で家事がありました。どんどん燃え広まっています。死者は●●人です」
「道路が陥没して通れなくなりました」
「日本は治安が悪くなっており、その原因は●●です」
自分でも書いていて、恐怖や不安をあおるタイトルの方が、興味をそそられると思う。
「安堵するニュースは見なくたって構わない。けれど恐怖や不安をあおるようなニュースは、自分にも不幸が降りかからないように気にしなければならないじゃないか」
という人がいるかもしれないけれど、「自分の人生の参考になるように」という意味だったら、安堵をあおるようなニュースも人生には恐怖をあおるニュースと同じように有益だろう。
テスト勉強のようなもので、不得意科目を引き上げる勉強と、得意科目をより伸ばす勉強。両方とも意味がある。
考えてみれば、恐怖や不安を求めることの合理的な理由は見当たらない。同じように安心安堵をあおるニュースを見たっていいじゃないかと思う。なのに僕たちは、恐怖や不安に興味をとられてしまう。
マンガや本を読んでも、一日中平和な日々が流れるだけのストーリーには何の需要もないだろう。自分がそういう人生を生きられるのはいいけれど、他人が絶えず平和なままでは、そちらを意識して見ようとは思わない。
人々の興味をひくには、他人の視線をこちら側に引っ掛けるには、皆んなに振り向いてもらうには、恐怖や不安をあおることが必要なのだ。だからマスメディアは不幸なニュースを流す。見ている人が不安になって、「自分もそうなっては困る。もっと知らなければ」と感じるような流し方を選ぶ。
たしかに、これでは色眼鏡をつけて周りを見るように、考え方や感情が隔たってしまう。必要以上に、恐怖や不安をもって過ごさなければならなくなってしまう。
世の中はフラットなので、本当は必要以上に不安がらなくてもいい。恐怖や不安と同じように、安堵や安心感をもたらす報道を見なくてはならない。もしも自分が恐怖や不安に対して興味をそそられていると感じるのであれば、それは麻薬のように思考が侵されている証拠である。
意識して恐怖や不安をあおるニュースを遠ざけるか、もしくは安心や安堵をもたらすニュースを見た方がいい。
まあ逆に言えば、人の注意を引きたいのであれば、恐怖や不安をあおる話し方や書き方をすればいいということになる。参考にしたい。
仕事依頼、絶賛受付中です。
犯罪、非行、警察関係、子育てなどに関しての記事執筆。人前で話すのも得意なので、講演依頼などもお待ちしています。下記お問い合わせフォームまたはメールにて承ります。
イライラは良くないし、できればイライラしないで生活したい。
感情的になりがちな性格をコントロールして、楽しく笑いながら生活するためのヒントを載せた本です。 「イライラしてはいけない」と頑張っている方々に向けて書きました。
電子書籍でも買えますし、紙の本(プリント・オン・デマンド)も選べます。
「犯罪と非行をなくして、思いやりを育む方法」の小冊子になります。
「こうすれば思いやりを育めるよ」「思いやりって、つまりはこんなことだよ」というのを載せました。
思いやりとは、スナイパー(狙撃手)のようなものである。35,222文字。目次はこちらで公開しています。
下のフォームにてお名前とメールアドレスを入力のうえ、無料でダウンロードできますので、ぜひ読んでみてください。
[contact-form-7 id=”4057″ title=”小冊子ダウンロード”]
30分の無料相談を承っております。子ども、非行、犯罪、警察対応、などのキーワードで気になりましたらご利用ください。基本はウェブ会議アプリを使ってのオンラインですが、電話や面談も対応できます。
モヤモヤ状態のあなたが、イキイキとする無料相談です。次の一歩を踏み出すために、お気軽にお問い合わせください。
下記お問い合わせフォームで「相談希望」である旨をお知らせ下さい。
[contact-form-7 id=”2700″ title=”お問い合わせ”]
「素直さ」を考えるセミナーを定期的に開催しています。スケジュール・詳細はこちらをご覧ください。
自己中が思いやりに、
生真面目が寛容に、
怒りっぽさが優しさに、
そして非行が素直に変わります。
心よりお待ちしております。
[contact-form-7 id=”10255″ title=”セミナー申込みフォーム”]
関連する投稿
- 日本語文章を書く際の注意点とは。AERAのムックで大御所連中が言っていたこと
- 親は教育ハラスメントに気づくべきだ。9年浪人するという妄信
- 岸辺露伴から教わったリアリティーの話。文章と言葉に説得力を持たせる方法
- 権威の否定。プロとして仕事をするよりもアマチュアの方が尊いという話し
- アドバイスでなくてユーモアを提供しよう
現在の記事: マスメディアにあおられて野次馬になる。カツマーの動画をみて「なるほど」と思った話