人に事実を伝える事はなぜ難しいのか

2016.10.30 (日)

「人に伝える」のは非常に難しいです。特に、過去にあった事実を伝えるのが難しいです。「過去にあった事実」を「正確に」伝えることは、「できない」と言ってもいいと思います。

 

自分の記憶を百パーセント正確に言葉になんてできませんし、例え百パーセント言葉にして言ったところで、相手が百パーセント正確に受け止めてくれるなんてありえません。

 

記憶というのもあいまいです。あの時なんであんな行動をとったのか、なんであんな考えに至ったのか、人に説明しようとしてできるものではありません。

 

私はつい2、3時間前の事でも、文章にしようとしていつも戸惑います。それが何日も前、何ヶ月も前、何年も前の事であったなら尚更でしょう。

 

しかもそれが震災のようなパニック状態のときであったら、説明のしようがありません。合理的でない行動もとるだろうと思います。何があってそんな考えに至ったのか、その「何か」を思い出すことなんてほぼ不可能でしょう。

 

自身もなくなります。周りから指摘されると、どんどん自分の記憶があいまいなものに思えてきます。何が事実で何が事実でないのか、それがわからなくなってくるのです。
結果、「その時何があったのか」という質問に対して言えることは「わからない」という言葉に落ち着くのでしょう。

 

被災中の出来事に対して、証人尋問で「法廷で真実を言ってほしい」というのは無理難題でしかありません。説明が二転三転するのも無理ないように思います。結局「その時何があったのか」は、その時に現場にいた人にしかわからないことなのです。

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