金融リテラシーの勧め〜お金は銀行に預けるな
金融リテラシーを進める内容です。著者は金融リテラシーについて、主体的に学んでいられるものとしています。人から言われるままに勉強して鵜呑みにするだけでなく、自分で試行錯誤して、実践して学んだ結果得られるものを言うのだと思います。
受け身で学ぶだけでは、それはただの知識であり、リテラシーではないのだと思います。リテラシーという言葉には、知識よりも「自身のものにする」というニュアンスがつきます。実際に自分のものとして使いこなしてこそリテラシーなのであり、積極的にリテラシーを身につけようとする過程も重要なのだと思います。
本書では、日本の社会にそれとなく蔓延する金融に対するイメージ、お金に対する接し方、その改善方法も鋭く指摘されています。
お金に対するイメージは、少なくとも日本においては、一般的によくないものです。お金儲けをすることは意地汚いことで、お金がない人こそ心が綺麗な人だ、というようなものです。戦後、日本の多くの人がまだ貧しかった時代は、このような考えが、日本人の拠り所だったのかもしれません。
ですが時代は変わりました。すでに多くの人が中流になって、ずいぶんと時間が経ちます。より変化を求めるのであれば、より高みに持って行きたいのであれば、金融の知識は不可欠です。金融に対する後ろめたさを、うまく乗り越えて、支配しなければなりません。金融リテラシーが必要なのです。
本書では、抽象的な金融リテラシーに対する考え方から、具体的な「どの金融商品を買ったらいいか」まで詳しく書かれています。著者が我々、プロでもない素人にすすめているのは、ノーロードでインデックスの投資信託です。これを日本債券、日本株式、海外債券、海外株式、の4つに分散しながら30年などの長期間、運用する投資方法です。
ぜひ本書を読んで、金融リテラシーに目覚めてください。
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