思いやりを育むための抽象化思考
アナロジーが大切だと言ってきました。世の中から犯罪や非行をなくすには、イライラをなくさなければなりません。これは、人間関係です。人間関係がもつれて変な方向に行ってしまう結果が、イライラとなります。警察官をやっていると思うのですが、犯罪や非行はイライラの延長にあります。イライラした人が一定数集まると、その中の限られた一部が、犯罪や非行に走るのです。
イライラをなくすにはどうすればいいのか。イライラしないためには、仲良くなればいいわけです。仲がいい相手には多少のことがあっても目をつむりますよね。お互いに知らず、仲が良くないからイライラしやすいのです。仲良くなるためには、共通点や似ている部分を見つけることです。共通点や似ている部分が見つかると、それが磁石のように相手と自分を引きつけて、重ねて見られるようになります。共感しやすくなるのです。
相手の失敗に対しても、「自分もそんなことがあるよなあ」とか「自分も昔はそうだったなあ」と寛容的になれます。共通点や似ている部分を見るけることがポイントになるのです。この共通点や似ている部分を見つけるのが、アナロジーです。
アナロジーはの効果は3つあるといわれています。それは、自分への理解、相手への説明、アイディアの発想です。自分への理解とは、既知のものから未知のものに応用するということです。新しくできたレストランに入ったところで、「注文の仕方が分からない」なんてことはないでしょう。それまでに入ったことのあるレストランの注文方法を、無意識のうちに応用しているからです。
相手への説明とは、例えば話がいい例となります。新しい考えを相手に説明する場合、例えを持ってきて、相手の理解を促します。相手にとって既知のものを持ってきて、未知のものへの理解の足がかりにするのです。
アイディアの発想とは、アイディアを発送する足がかりとしてアナロジーを使うのです。どんな斬新な発想も、ゼロから生まれるものではないといわれています。既存のものをベースにして、それらを組み合わせたり拡大縮小したりといった応用を用いて、アイディアを作っています。既知のアイディアを足がかりにして、未知のアイディアを考えるのです。
このアナロジーの4つ目の効果が、人間関係への応用です。相手と仲良くなるために、相手と自分の共通点を見るけるのです。自分(既知)を足がかりにして、相手(未知)の価値観や視点を想像するのです。アナロジーをもちいることで、相手の身になって考えたり、自分ごととして見られるようになったりと、相手と自分を重ねて見られるようになります。共通点や似ている部分が磁石となって、相手と自分を重ねるのです。これは、「思いやり」や「優しさ」と呼ばれるものです。
例えば、暴行事件ってありますよね。相手に対して暴力を振るう犯罪です。これは、人間関係のもつれから発生するものです。人間関係がうまくいかず、相手に対してイライラしてしまうために、暴力を振るいます。この粗暴な人間を粗暴でなくするにはどうすればいいのか。イライラを減らせばいいわけです。イライラする機会を減らすのです。相手に対してイライラしないようにすればいいわけです。相手に対してイライラしないようにするには仲良くなればいいわけです。仲がいい相手に対してそう簡単に暴力はふるいませんよね。
相手と仲良くなるために発動するのがアナロジーです。自分をベースにして、相手の価値観を想像するのです。アナロジーを使えば、相手と仲良くなりやすいのです。なぜか、それは、アナロジーとは基本的に、共通点を探すことだからです。自分と相手の共通点を探すことが、アナロジーを人間関係に応用することの意味です。
というのも、共通点があると話しやすいですよね。仲良くなりやすいんです。同じ趣味の話、同じ出身地を持つ者どうし、なんとなく似ている者どうし、仲良くなりやすいはずです。
アナロジーを発動させるのには、抽象的な視点が必要になります。物事を抽象的に見られるようになると、共通点を見つけられる幅が広がるのです。具体的なものははっきりとしている分、境界が厳密です。それに対して抽象的なものは曖昧で、境界もずさんです。抽象的なものは重ねやすい、一緒にしやすい、同じにしやすいのです。ポイントは、それ自体が抽象的であるかどうかではなく、「抽象的に見る」ことです。抽象的に見れば、自分が対象を「抽象的だ」と思って見られれば、それでいいのです。
思いやりには、抽象化の視点が必要です。思いやりとは、自分をベースにして、相手(ターゲット)の価値観を連想することであって、相手や世の中を抽象的に見られれば見られるほど、ベースからターゲットを狙いやすくなるからです。
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