桜木花道のケガと受験勉強、日の浅い自然淘汰説は本当に真実なのだろうか〜種の起源

2020.09.12 (土)

 

人間とサルの祖先は一緒だったのだろうか。人間はホントウに、サルとの共通祖先から進化したのだろうか。「チンパンジーと人間は、遺伝子の98パーセントは同じで、違いは残りの2パーセントほどしかない」とはいうけれど、それはどこまで真実なのだろうか。

 

 

「何をそんな当たり前のことを疑っているんだ」と思われるかもしれないけれど、その「当たり前」というのは、「科学的に見て当たり前」というだけの話であって、科学を疑う目で見たら、その「当たり前」すらも当たり前ではない。

 

 

おそらく「こういう事実があって、こっちにもこういう事実があって、あっちにもこういう事実がある。これらを踏まえて考えると、こういう事実が推論される」という程度のもの。そこまで言っても推論の枠をでない。

 

 

自然淘汰説も帰納的推論で考えたものに過ぎないと考えると、「もしかしたら違うのでは?」という疑問符がついていしまう。自然淘汰説を論理展開する内容の「種の起源」は、逆に自然淘汰説に対する疑いを僕に抱かせる内容だった。というのは、あまりにも種の起源が若いからだ。

 

 

若いというのは説得力において致命的で、人間であれば誰でも年齢による説得力を感じることはあると思う。年配の先輩に言われたらイヤイヤながらも従うけれど、年下の後輩に言われたら反発したことは誰にでも見に覚えがあろう。若さというのは説得力、もしくは相手を従わせるうえで致命的なのだ。

 

 

「種の起源」が出版されたのは1859年とのことらしい。これはすごい。驚くべきこと。どう驚くべきかというと、あまりにも最近なのだ。1859年なんて、もう19世紀になっている。ほんの160年ほど昔でしかない。これはあまりにも最近すぎる。

 

 

どうして1859年があまりにも最近すぎると感じるのか。それは「種の起源」の内容が、あまりにも昔のことのように思えるからだ。あまりにも「当たり前」のことを言っているようで、まさかそれほど最近出版されたものだとは思わなかった。

 

 

「種の起源」は聖書の教えを批判する形で書かれている。批判というと語弊があるのかもしれない。ダーウィンにしてみれば、聖書の教えは聖書の教えだし、それとは別に科学的なものの見方というものも両立得ると考えたのだと思われる。

 

 

とにかく、「種の起源」は聖書に書かれている一斉創造説(動物などの天地万物が神によって一斉につくられた説)とは別の説を唱え、「一斉想像説では説明がつかない。自分の説こそが事実である」ということをいっているのだ。

 

 

ということは、である。「種の起源」が出版される1859年は、一斉創造説が世の中のスタンダードだった。難しい時代だったのかもしれない。ただ盲目的に一斉創造説を皆が信じていたわけではなく、「聖書には『一斉につくられた』と書いてあるけれど、実際はどうなのだろう?」と疑問が徐々に広まっているような時代の空気だったのかもしれない。

 

 

まるで、それまで信じていた自分の主人が悪者だとわかってきたときのようなキャラの心境。「もしかしたらこの人……悪者なんじゃないの?」そんな心境が人々の間に徐々に浸透してきている時代だったのかもしれない。

 

 

ダーウィンは無類のハト好きらしくて、ハト同士を交配させて好みのハトを作るのが趣味だったらしい。ハト好きが集まるサークルにも入っていて、「自分もそこの会員なんだぜ」ようなこと本の中で言っている。

 

 

つまり、ハト好きの間では、交配を重ねることで自分好みのハトを作ることが可能なことは常識だったのだ。「自分好みの色のハトを作るために、こっちのオスハトとこっちのメスハトを交配させてみよう」とか、そんなことをハト好きのサークル会員はしていた。

 

 

交配させて世代交代を重ねることで、徐々に種が変化していくことは多くの人が知っていたのだ。それはつまり、一斉創造説に対する猜疑である。神は完璧をつくったのだから、変化する可能性のある生物なんかをつくっていない。

 

 

聖書に書かれていることに対して「もしかしたら違うのかもね」という認識は世の中にあったのだと思う。なのにダーウィンが種の起源を書いた後に、風刺画に代表されるように批判されたということは、聖書をあからさまに「違うよね」ということはタブーだったということだったのだろう。

 

 

聖書に書かれていることを「違うよね」と思いつつ、そんな空気が徐々に大衆に広がっていきながらも、そのことを声高に言うことがお上によって抑制されている世の中。

 

 

それでもいつの世にもなかなか考えを変えない、頭の固いような連中はいるのだろうから、そういう連中に対して突きつけた形が「種の起源」だ。

 

 

「ね? 一斉創造説では説明がつかないでしょ? でも自然淘汰説で説明すると、こんなにもすっきりと説明できるよ?」

 

 

種の起源の中でダーウィンが繰り返し言っていること。しつこいくらいに反復して言い表していることは、一斉創造説に対する自然淘汰説の優位性である。

 

 

今の僕たちからすると、小学校の授業でも、あるいは小さい頃からの親との会話の中でも、あるいは本屋に売っている図鑑を手にとっても、自然淘汰説は前提として言われていることなので、それはが当たり前だと思っている。「サルの歩いている姿が徐々に人間に変形していく図」などは、誰もが見たことがある。

 

 

そんな常識はほんの160年ほど前に舵を切られたものだったのだ。それまでのモヤモヤ状態から抜け出し、自然淘汰説が事実だとする方向に舵を切るきっかけが、「種の起源」の出版だったのだ。

 

 

バスケマンガの金字塔であるSLAM DUNKで主人公の桜木花道は、対山王後半戦で背中を痛めていた。湘北高校バスケ部マネージャーの彩子さんはそんな桜木に対し、「数ヶ月で急速に力をつけてきた分、失うのもまた早い」というようなことを言っていた。

 

 

徐々に実力をつけてきたのなら、ちょっとの離脱でも実力が失われることもない。けど急激な練習で一気に実力をあげた桜木は、治療やリハビリの離脱だけで「この4か月がまるで夢だったかのように」力がなくなるだろうと綾子さんは考えたのだ。

 

 

急速に広がったものは、収束するのもまた急速。受験勉強のようなもので、突貫工事のように身に着けた知識は受験が終わると同時に忘れてしまう。

 

 

19世紀に出版されて、21世紀の現代では当たり前とされている自然淘汰説は、世界に一気に広まったもの。スラムダンクの綾子さんの説でもって解釈するならば、自然淘汰説がそっぽ向かれることがあるのならば、その変化もまた急速であることになる。

 

 

なぜなら自然淘汰説は、僕たちが考えているよりもはるかに若いからだ。まだまだ日が浅い常識なのだ。ダーウィンが言うように、人類は地球上のすべてを知っているわけではない。ほとんどのページが破れて無くなっている本から本の内容を想像するようなもので、世の中を知るにはあまりにも空白の部分が多すぎる。

 

 

もしかしたらこの先、自然淘汰説に変わる新しい人類の起源の説が言われるようになるのかもしれない。あるいは一斉創造説がまた盛り返すのかもしれない。その時は、誰もが自然淘汰説を「科学なんて迷信を信じてるの?」と言っているかもしれない。

 

 

(「大長編ドラえもん のび太の魔界大冒険」より引用)

 

 

ちなみに、種の起源の中で「人類はサルから進化した」とは一言も書かれていなかった。「すべての生命は、同じ種の起源から変化した」程度のことは書いてあったけれど、「人類がサルから」とダーウィンは言っていなかった。僕はその一文が目的で「種の起源」を読み始めたのもあったのだけれど、そこはダーウィンがぼかしたところだったようだ。

 

 


 

 

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