言ったら終わり
勉強している人とか、「自分は頭がいい」と思っている人って、よく人の意見を聞いた後で「お前は分かってないなぁ」っていう感じのことを言ったり、そんな顔をしたりすると思うんですけど、それって言ったり顔に表した時点で終わりだと思うんですよ。
例えば哲学なんてのもそうだと思うんですけど。あれって結構難解ですよね。色々なレイヤーの捉え方ができる。それぞれのレイヤーで捉え方が違ってきているんです。浅く捉えることもできるし、深く捉えることもできる。浅く捉えれば●●という捉え方ができるけれど、そこからさらに踏み込んでもっと深く捉えれば□□という捉え方ができるんですよね。
例えば今私の近くにあるものでアップルのアイフォーンがあるんですけど、アップル信者っていうのは多いと思います。アップルの製品に心を奪われて、アップルの製品を身近に置いている人っていうのは多いと思うんです。で、「アップル製品ってデザインがいいよね、飾らない感じで」って言ったことに対して、「いやいやお前は分かっていないよ。アップル製品は確かにシンプルだけど、そこには計算され尽くしたデザインがあるんだよ」とか。そんな風に「お前は分かっていないね」っていう場合って大抵、そんな風に言った方だって分かっていないんです。
マウンティングしたいだけ。「俺の方がもっと知ってるぜ」とか「俺はお前よりかはるかに上を行っているぜ」っていうアピールをしたいだけでしかない。
だから、そんなことを思っても口に出したらい顔に出したりしないで、胸の内に秘めておけばいいんですよ。そうすれば本当の意味での「分かっている」なんで。「お前は分かっていないなあ」的な雰囲気を出した時点で、その人もこっちの側の、「分かっていない」側の人間になってしまうんです。
特に反論するわけでもないじゃないですか。反対の意見を持っているわけでもない。基本的にこっちが言ったことに対して肯定なわけじゃないですか。だったら「分かっていないなあ」なんて回りくどいことを言ったりしないで、素直に、まっすぐに肯定するばいいんですよ。「その通りだね」とか「俺もそう思う」って。
自己矛盾劇場っていう本があるんですが、そんな感じだと思うんです。例えば「あいつは悪口ばっかで許せねーよ」っていう発言、そのセリフを言っている人も悪口を言っていますよね。言った時点で終わりなんです。自分を客観的に見ることができていないっていうか。会話をしている二人以外の人間・第三者が聞いたら「お前もな」っていう思いが絶対に出てくると思うんですよね。
それぞれのレイヤーで捉え方が違ってくるんでしょうけれど、それでいいんだと思います。違っていて当然で、相手がどの上のレイヤーなのか、下のレイヤーなのか、なんて分からないんですよ。「一周回って・・」なんて言葉もありますし。ウィークリー落合で、よく落合さんがいうセリフに「一周まわって・・」ってのがあるんですけど、これって都合がいい言葉ですよね。その人が下なのか上なのか分からなくなります。「デジタル信仰真っ只中の中で、一周回ってもう一度アナログの良さに気づく」みたいな使い方を本人はしています。要するに、どっちが上の視点なのか、どっちがより深い視点なのか、なんて、特に会話をしている二入にはわかりっこないってことです。
だから、「お前は分かっていないなあ」なんてことは言わないほうがいいんです。顔にも出さないほうがいいんです。そうすれば、本人は本当の意味での「分かっている」存在になるんです。だけど、それを言葉にして言ったり、顔に出して相手に伝えてしまったら、その時点でその人も分かっていない人の側に仲間入りです。
・・という私も、こんなことを記事に書かなければ、もしかしたら本当の意味で分かっている人の側だったのかもしれませんが、どうしても言いたくなって記事にしてしまいました。だから私も分かっていない人の側の仲間です。言いたくなるのが人間でしょうし、顔に出してしまうのが人間でしょうし、相手を下にしてみてしまうのが人間でしょうし、自分を棚にあげるのが得意なのが人間なんですけどね。
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プレゼントの無料小冊子を更新しました。「子どもの非行を防ぐための素直な頭のつくり方」です。
非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。
子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。
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