文章を書く際は「構え」と「流れ」のどちらに重きを置くか。折衷案としての段落〜段落論

2020.06.12 (金)

 

「『鳥の目』と『魚の目』、2つの目を調整しながら自らの判断で運転していくさまは、設計図を参考にしながらも、現場の判断で選択を決めていくという文章を書く営みと共通するものです。段落というものを、あらかじめ立てていた計画と、執筆過程で次々に思いつくそ即興との融合と見ることで、文章執筆の考えは豊かになるでしょう。」(本文より引用)

 

 

「直前直後の文章を意識しながら文を単位として話を次々につなげていく『流れ』の意識と、文章・談話全体で何を伝えたいかという目的に基づいて計画された全体構成にそって話を勧めていく『構え』の意識の2つから成り立っています」(本文より引用)

 

 

 

両者の間に入って中を取り持つことを「橋渡し」と言うが、段落とは橋渡しのようなものである。僕の場合だと、主に文章を書くことを想定して段落を考えるが、段落とは「構え」と「流れ」の橋渡しの役割を持っている。

 

 

文章を書く時は、構えと流れのせめぎ合いである。お互いに自分の方を優先して、相手に主導権を握らせまいと必死だ。もちろん構えと流れ、それぞれに意志があるわけではなく、意志を持っているのは文章を書いている「この僕」。どっちを優先するのかは僕次第なわけだが、構えを優先して書いていると流れが悪くなるように思うし、流れを重視して書いていると構えが気になってしまう。

 

 

たとえば文章を書く時、ある程度まとまった量を書く時は、構えをとってから書き始めることが多い。構造を練るのだ。話の冒頭にはどんな話題を持ってきて、メインのところは何層構造にして、最後の方にはどんな結論をもってきて、どのような論理展開で話を進めるのか。それを書く前に決めておくのが、構えである。

 

 

というのも、あらかじめ論理展開を決めておかないと、行きあたりばったりの文章になってしまうからだ。目的地を決めないで旅に出発するようなもので、計画性がなくなってしまう。自分しか読まない、あるいは読者がいない文章ならそれでもいいのかもしれないが、文章とは基本的に人に読んでもらうものである。

 

 

文章は人に読んでもらって、その上で理解してもらわなければ意味がない。「相手にわかってもらう」という宿命を背負っているのが文章であって、そうすると「わかりやすさ」を文章は内包しなければならない。

 

 

文章は、読み手にとってわかりやすいものでなければならない。そうすると、行きあたりばったりでは、読み手は道に迷ってしまう。歩いて進むような巨大迷路を進むには、上から見た鳥観の地図が必要なのだ。

 

 

「ここはこう。そこはこう」「こっちに来たら、その次はこっち」「その後でこう来て、最後にこう」というロードマップがなければ、あっちに行ったりこっちに行ったりの文章になってしまう。文章を書くには、構えが必要なのだ。

 

 

けれど、構えには一つ大きな欠点があって、それはつまらなくなることである。あらかじめ決められた通りの平坦な論理展開の文章は、確かにわかりやすいのかもしれないが、その分だけ面白さに欠ける。

 

 

計画性は大事だけれど、旅というものはハプニングがあるからこそ、楽しいし記憶に残るものなのだ。いいとこの坊っちゃんのようなもので、決められたレールの上を走る人生は確かに安定している。あらかじめ「こう行きなさい」というロードマップが示されているので、楽は楽である。けれどこれでは面白くない。

 

 

流れのある文章を書くとは、直前の文章から引き継いで行き先を決める、計画性のない旅のようなものである。あらかじめ決められていないので面白い。この先に何が用意されているのか、「こう行ったらこう」「ここまで来てからこう」という道案内が無いので、その場の享楽的な雰囲気で行き先はいかようにもなる。

 

 

構えがマクロな視点で、流れがミクロな視点である。構えが計画性のある論理展開であるのに対し、流れはその場その場での雰囲気を重視して論を展開していく。

 

 

この構えと流れ、両者の間のメリット・デメリットが交錯する場所が、段落なのだ。段落をうまく使えば、構えと流れを両方とも操作する事できるようになる。

 

 

段落は文よりも大きく、文章全体よりは小さい。中間の存在である。なので、構え重視で文章を書いていて「少し面白くないな」「平坦すぎるな」と感じた時。あるいは、流れ重視で文章を書いていて「今何の話題で、この後はどんな論理展開になるんだっけ?」「本当にこの展開でいいんだっけ?」と疑問に思う時に、段落を意識するといい。

 

 

たとえば文章全体の論理展開からもう少し切り下げて、流れが生み出す勢いをほんの少しだけ加えたいときに、段落を持ってして文章を見るのである。文章を段落の集まりとして見れば、段落の中の文章には勢いをつけ、段落で持って論理展開を明確にする、という構えと流れの中間の道が開けるのである。

 

 

流れにまかせて文章を書いている中で、論理展開が気になりだしたら、段落ごとの論理展開を意識する。そうすると、ミクロの視点では勢いのままに書きながら、ほんの少しだけマクロの視点をプラスして段落を論理展開に利用する目が養われる。

 

 

段落は、構えと流れの交差点。お互いの利益がぶつかる場所である。ここをうまく利用することで、お互いの仲を取り持つことができる。論理展開の構えと、勢いの流れ。段落で持って橋渡しするのである。

 

 

 


 

 

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