塾を変える。環境を変える。何か一つを試しに変えてみる

2020.06.13 (土)

「変えてみる」というのをおすすめしたい。

 

 

変えてみるのは環境だ。これまでと違う選択をしてみる。これまでずっとしてきたことに変化をつけてみるのだ。

 

 

塾に通うのを嫌がる小学生の子どもの話を聞いたのでシェアしたい。

 

 

その子どもは小学校4年生なのだが、塾に通うのを嫌がるのだという。小学校に入学と同時に近所の塾に、親のすすめで通塾を開始。その塾は、近所から20人ほどの小学生を集めて集団でドリルなどの問題を説かせている大手。

 

 

その子どもは、通い初めのうちは嫌がることもなく通っていたのだが、徐々に通うことに拒否を示し始めた。母親が家にいないときは、通う時間になっても通わず、家にいたという。母親が帰ってきてから、「今日は塾に行っていなかった」ということが発覚していたらしい。

 

 

塾の宿題があるのだが、もちろんそれもしない。本当は毎日やらなければならないものだけど、本人は気が乗らないらしく、毎日やろうとしない。塾のある日に、通塾時間の直前にまとめて仕上げていたのだという。

 

 

その子どもは周りの同世代と比べても人見知りで、集団での行動が苦手だった。人前で自分を出すことができなかった。一人が心地よく、複数でいると窮屈さを感じてしまうようだった。

 

 

そんな日々が続いて3年。今年になって、コロナウィルスの影響での外出自粛である。その塾も運営を休んでおり、子どもが塾に行かない日々が続いた。コロナウィルスの外出自粛が下火になって、世の中の学校や塾が再開し、再び学元の生活が動き始めた頃、その小学生は、すっかり塾に行くのが嫌になってしまったという。

 

 

塾に行かない生活、というのを知ったのだろう。それまでは行くことが当たり前という、なかば盲目的にさせて通わせていたのだが、「塾に行かないという、こんな生活もあるんだ」「そんなこともできるんだ」というのを、小学生の子どもは知ったらしい。塾に行くのをとことん拒否した。

 

 

困ったのは親である。さてどうしたものか。塾に通わせたい。もしも塾を退会してしまったら、せっかくこれまでドリルなどをとおして築いてきた計算力が水の泡になってしまう。学校の勉強だけでは足りない。

 

 

親は子どもを説得しようとしたが、なおも子どもは塾に行くことに消極的。塾の宿題をしようとせず、どうしても気乗りしない。

 

 

しかたなく親は、塾を退会させた。あまりにも無理強いすることがはばかられたからである。その親は釈然としないながらも、通信教育に切り替えたらしい。

 

 

親としては、自分の子どもが塾になじめない、というのを認めたくなかった。塾をやめてしまえば、どこか「落ちこぼれ」のような烙印を押されることを感じたのだ。

 

 

けれど通信教育にしてわかったのは、「複数での教育に馴染めないのも個性である」という当たり前のことらしい。通信教育は、複数の児童が集まって授業をうける形式ではなく、教育者対受講児童の、一対一である。

 

 

塾を変えるまで、その親は視野が狭くなっていた。塾を変えることが、子どもが集団での教育に馴染めないことを認めるようで、親としてはそれが許せなかった。通信教育にして、子ども一人ひとりに合った、柔軟性のある教育を提供できるというメリット。そのことを自分の子どもが受けられことに、塾を変えることも悪くないと思ったらしい。考えてみれば当たり前のことだが、そのことにすら気づかないでいた。

 

 

ここで重要なのは、「変えること」である。人は自分のそれまでの生活を変えることに抵抗を感じる。知らないものよりも、知っているものに囲まれていた方が安心するからだ。未知のものに対して警戒心が働くのだ。自分のそれまでの生活とは知っているものである。それに対して、変化した後の生活とは、知らないものである。

 

 

知っている生活を続けていれば、先を読むこともできる。将来を予測することもある程度できる。安定という心地よさを感じる。

 

 

けれどそこにワナがあって、必要以上に変化を警戒してしまうこと。考えてみればわかることだけれど、変化を受けれてそれまでよりも生活がよくなるかどうかは、五分五分である。良くなる可能性も50パーセントある。

 

 

それなのに、たとえ今の生活が悪くなっても、今の生活が苦しくても、変化することに抵抗を感じてしまう。変化をおそれてしまう。変化を取り入れれば、よくなる可能性もあるのに。少なくとも、悪いと感じている今の生活は変わるのに。

 

 

さきほど例で上げた親も、子どもが塾を嫌がっており、今の生活が悪いと感じていた。それなのに、必要以上に塾を変えることを恐れ、生活を変えることを恐れ、「馴染めない烙印」を考えるようなマイナス思考に陥ってしまっていた。

 

 

よく、「変えることで根本的な解決にはならない」と考える人もいると思う。今回の例で言えば、「塾を変えたところで、集団に馴染めないという子どもの性質自体は変わらない」と思うかもしれない。けれどそれは違っていて、環境を変えることも立派な戦略のうちの一つなのだ。子育ての一つなのだ。

 

 

その人の性質と、周りの環境、両方が影響しあって、その人の人生が成り立っている。例えば犯罪者が犯罪を犯すのは、その人の犯罪性という個性だけでなく、周りの環境もある。周りの環境とは、犯罪に招き入れる悪友だったり、貧困などの犯罪への走りやすさだったりする。

 

 

だから、もしも「どこかうまくいっていない」と思うのであれば、環境を変えることをおそれないことだ。「根本的な解決にはならない」なんて考えず、勇気を持って変化を促してみることだ。きっとそれまでの自分が盲目的だったことに気づく。それまでの自分が、視野が狭くなっていたことに気づく。

 

 

 


 

 

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