地球を感じる中で読みたい〜14歳からの哲学
ソクラテス、プラトン、アリストテレス、ニーチェ、サルトル、ハイデガー、キルケゴール。
哲学っていうと、こんな風に人の名前を覚えるものだと勘違いしてはいないでしょうか。難しい、いかにも覚えづらいカタカナ語の西洋人の名前を覚えて、誰がなんていう主張をしたとか、その主張をしたのが西暦何年くらいで、その時代背景にあったものも覚えて。そんなものが哲学だと思っていないでしょうか。残念ながら、それは哲学することの形骸化した形でしかありません。
哲学者とは、決してそれまでの歴史を勉強してきた人たちのことを言うのではありません。哲学者とは、目の前の問題について、深く深く考えぬいてきた人たちの事をいうのです。この本には、哲学することのきっかけがたくさん書かれてあります。物事を考える際のきっかけが、各項目になります。「考える」とは、「言葉」とは何か、「心はどこにある」のか、「理想と現実」についてどう考えるか。そんな、考えることを想起させてくれるのが本書になります。
できれば時間がある時に読みたい本ですね。一人でぼーっとするのが許されるような時間。時間的に余裕がある時。そんな時にこの本を読めれば一番なのだと思います。なぜなら、読んだだけでは意味がないからです。読んだ後で自分なりに考えて、星空を見上げた時のような、高い山に登って眼下に広がる光景を目にした時のような、広い世界に自分がいることの意味を考えるような感覚を手にとってみないことには、せっかくの哲学することのきっかけが意味なくなってしまうように思います。
で、人に考えることを想起させるきっかけとしても使える本だと思いました。展開の仕方がとても丁寧に書かれているので、自分だけでなく、例えば子どもに哲学することを想起させるきっかけとしても使えるのかなと思います。
例えば「考える」章に記載されていた言葉ですが、
「でも、ここでちょっと立ち止まってみよう。自分の思ったことを人に言うということは、自分の思ったことを人に言うということで、いいのだろうか」
「自分の思ったことを人に言う」ことについて、客観的な視点を与える言葉だと思いますが、人の考える深めるための、切り返し、と言うかきっかけを与える言葉として使えるように感じます。このように人の考えを展開させる「きっかけ」がたくさん書かれているので、思考を深めてもらいたい相手との話の中で使えるのだと思います。
最近、哲学系の本をよく読んでいるのですが、「認識」って結構重要ですよね。認識を軸に考えが深まるような。認識をどう捉えるか。認識というものをどう認識するか。認識を客観的に考えてみて初めてわかることが多いように思います。
認識っていうのも考えなければならないので、哲学の前では科学ですら下位の概念になってしまいます。哲学を使えば、科学ですら客観的に考えることができる。哲学の考えに沿って考えれば、哲学ですら否定することができる。
例えば、科学っていうの本当のことをの思われがちですが、それすら人の認識でしかありません。以前、キアヌ・リーブスが主演の映画「マトリックス」がありましたが、あの映画の中では、「本当の世界」と「本当でない世界」がありました。
もし我々が目の前にあると思っている世界、目に見えている世界が夢でしかなくて、「本当の世界」は、人間が台の上で並んで寝ているだけで、その人間が見させられている夢を、我々が「本当の世界」だと誤解しているだけかもしれませんし。あるいは「本当の世界」は、ビーカーの中に脳みそが入れられていて、そんなビーカーがいくつも並んでいるだけかもしれません。で、そんな脳みそにコードが繋がれていて、そのコードから夢が流れており、その夢を我々が「本当の世界」だと思っているのです。
そんな映画や漫画の世界のような可能性も否定できないのです。これは否定しようがないことなのでしょう。決して我々が認識の外側に行くことはできないので、想像するしかありません。だから、万能だと思われる科学ですら、真実だと思われている科学ですら、夢の産物でしかないのかもしれないのです。台の上で並んで寝ている人間の、ビーカーの中の脳みその、「何者か」から見させられている夢であるかもしれないのです。
面白いですね。ファンタジー感があっていいですよね。こんなことを考えていると、真実なんてどこにあるのか分からないし、いくらでも想像が広がります。そういう意味も込めて、余裕がある時に読みたい本ですね。長期休暇で行った山の中、星空が広がる夜に一人で読むとか。海の上のクルーズ船で、地球の丸さを実感できる中で一人で読むとか。そんな地球の大きさというか、宇宙を感じるような、広い視点を持てる中で読めば、本の中に没頭できるのではないかと思います。どこまでも想像の中に身を置いて、現実の仕事だとか、人間関係だとか、そんなことは忘れてしまって。想像の宇宙に浮かぶみたいな。そんな読み方をしたい本ですね。
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