子どもの非行を防ぐ抽象化思考、そのプラスαの利点とは

2018.07.23 (月)

勉強(特に国語)ができるようになる

抽象化思考ができるようになると、勉強ができるようになります。特に国語です。国語は他の全ての強化の基礎と言われています。国語ができるようになると、他の教科もできるようになると言われているので、国語ができるようになり他の教科にもつながる、という構図です。

 

 

国語は論理力を問う科目と言われています。よく感覚の科目と言われていますが、それは間違いのようです。正しくは論理力です。論理的な説明ができるように、日本語という言語を巧みに操れるようになる事が、国語を勉強する目的になります。

 

 

論理的な説明をするにの、抽象化や具体化というのは、大きなウェートを占めます。皆さんも子どもの頃よく、言い換えの問題を国語でやったと思います。「下線部分を具体的に言い換えている部分はどこですか」とか「著者と趣旨と同じ内容の文章を、次のア〜オから選びなさい」という問題です。

 

 

これは、抽象化と具体化の問題という事になります。問題文の中から、あるいは選択肢の中から、抽象化あるいは具体化された部分を探すのです。あるいは問題文で使われている語彙を使って、自分で抽象化あるいは具体化された文章を作るのです。実は私たちは、小学生の頃から、抽象化や具体化とは接して生きてきたし、何十時間も掛けて勉強してきていたのです。

 

 

国語を勉強する目的である論理的思考は、コミュニケーションを円滑にするためにあります。本来、コミュニケーションとは難しいものです。お互いに相手の頭の中は、見る事も聞く事もできません。ですけど意思疎通しなければならないのです。

 

 

ですから、自分の頭の中のイメージを言葉に変えて、相手に伝えるのです。そして、相手から伝えられた言葉を、うまく自分の頭の中でイメージに変えるのです。コミュニケーションの理想は、イメージを共有する事だと思います。頭の中のイメージを、そのまま相手の頭の中に移動する事ができば万々歳です。

 

 

ですが、実際にはそのようなことはできません。だから国語を勉強し、論理的思考力を高め、コミュニケーション能力を上げるのです。自分の頭の中を、相手にうまくイメージしてもらうため、抽象化と具体化を駆使するのです。「つまりこういう事だよ」「具体的には◯◯とか◆◆だよ」と変換するのです。

 

 

自分の頭の中のイメージを相手の頭の中に近づけるため、抽象化や具体化を駆使するのです。「それって、要はこういう事?」「君が言おうとしているのは、例えば■■とか●●の事?」と変換しながら、イメージの共有を図るのです。

 

 

国語の問題で養おうとしているのは、まさに抽象化や具体かを始めとした論理的思考力なのです。

 

 

人を説得できるようになる

抽象化思考ができるようになると、人を説得できるようになります。文章というのは、主旨の繰り返しです。著者のもっとも言いたいことを、あの手この手を使って繰り返し伝え、どうにかして相手を説得して共感を得ようとしているのです。

 

 

例えば私は「非行を防ぐには抽象化思考が効果的だ」と言っています。ですが、何回も「非行を防ぐには抽象化思考が効果的だ」「非行を防ぐには抽象化思考が効果的だ」と繰り返していても、成果は出ないでしょう。抽象と具体を往復して相手を揺さぶる事が、説得力を生むのです。

 

 

「例えば物を盗んでしまう子どもは、盗まれる者の気持ちを想像できないからです。抽象化思考ができるようになれば、自分と相手を断絶して考えることがないので、相手の気持ちを想像する事ができるようになります。」と具体化して伝えてみたり。あるいは「非行を防ぐには抽象化思考が効果的だ。つまりは主観から離れるという事。」と抽象化して伝えてみたり。

 

 

これからの時代を生きていくには、人を説得する事が重要になります。何が正解なのかわからない、基準が曖昧な社会です。一つの成功モデルというのは存在しません。「●●をしていくのが正解」「◯◯をすれば安心だ」「◆◆をしていれば間違いない」という万人に当てはまる正解は存在しませんし、何かを正解だと思っていればそれはリスクの高い生き方と言えるでしょう。

 

 

そのような正解のない社会の中で、何を基準に自分を選んでもらうのか。どのように協力者を募るのか、どのように人と組むのか、といったら共感してもらうしかありません。説得して自分の味方になってもらうのです。

 

 

抽象化思考を理解すれば、具体と抽象の往復ができるようになり、相手を揺さぶる事ができるようになります。人を説得する力がつくのです。

 

アイディアマンになれる

抽象化思考を理解すると、アイディアマンになれます。「新しいアイディアは既存のアイディアの組み合わせ」、とはよく言われる事ですが、抽象化思考ができるようになると、組み合わせができるようになるのです。

 

 

例えば、あなたが犯罪や防犯に関する業界で働いていたとしましょう。あなたは子どもが非行に走るのを防ぐには何が必要か考えていたとします。もし、あなたに具体レベルの視点しかなかったら、必死になって、犯罪や防犯やセキュリティの業界の中で答えを探そうとしているに違いありません。

 

 

わかりやすいもの、はっきりとしているもの、既存のものしか目につかないので、視野を広くして発想を広げる事ができないのです。枠が出来上がっているものの中から答えを見つけようと、同じ重箱の中を何回も行ったり来たりです。

 

 

ですがもし抽象化の視点を持っていれば、ある日突然、結びつくのです。答えを出そうとしている業界と、それとは違う遠い業界の共通点が見えるのです。

 

 

自己中というワードで、防犯業界と思考の世界の結びつきが見えるのです。

 

 

犯罪や非行は、自己中の塊がなすものです。犯罪を犯す者、非行に走る子ども、チンピラ、ヤクザ。いずれも自分勝手で、他人を思いやる事ができません。自分の価値観に固執し、相手や状況に応じて柔軟に対応する事ができず、「自分の方が正しい」「俺は間違っていない」と競争してばっかりです。

 

 

それに対して、思考の世界にも「自己中」というワードが存在します。抽象化思考という切り口で見た場合です。抽象化思考は、主にビジネスの世界で使われているのだと思います。商品などのアイディアを出すために、これまでの事例をからコアを抽出してクリスタライズするのです。

 

 

頭の柔軟性がないとアイディアが出てきません。視野狭窄に陥っていると、発想が飛躍しないのです。自己中で消費者目線になれないと、いい考えが出ないのです。そこで、ビジネスの世界では、抽象化思考というのが使われてきたようです。コンサルティング会社の人などが、対象の会社の社員などに対して、事例の抽象化を求めるのだそうです。

 

 

このようにして、防犯業界の子どもの非行を防ぐ方法と、思考の世界の抽象化思考が繋がったのです。いかにして自己中から抜け出すか、という考えから結びついたのです。

 

 

抽象化思考は、自己中から抜け出す思考法です。故に視野が広がり、自分がいる世界と他の世界を結びつけ、アイディアの発想を支えるのです。

 

 

このように抽象化思考は、非行を防ぐことの他に「勉強(特に国語)ができるようになる」「人を説得できるようになる」「アイディアマンになれる」という効果があります。抽象化思考は思考法ゆえ、その用途は非行だけにとどまらず、社会を生き抜いていく土台になるのです。身につけて損はありません。人生の大きな武器になるのです。

 


 

 

 

 

プレゼントの無料小冊子を更新しました。「子どもの非行を防ぐための素直な頭のつくり方」です。

 

 

非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。

 

 

子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。

 

頭の柔軟性があり、状況や相手に応じて変化できる事。自分だけでなく、相手の考えも認める事ができる事。一つ上から全体を俯瞰できる事。そんな「素直な頭」をつくるための気づきを、この小冊子から得ていただければと思います。

 

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抽象化の視点を身につけるセミナーを定期的に開催しています。スケジュール・詳細はこちらをご覧ください。

 

自己中が思いやりに、
生真面目が寛容に、
怒りっぽさが優しさに、
そして非行が素直に変わります。

 

心よりお待ちしております。

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