哲学を理解するための一翼を担う本となる〜図解雑学 ポスト構造主義

2020.01.04 (土)

 

比較的わかりやすい方だと思う。というか、間違いなく「わかりやすい」本に分類されるだろう。

 

 

哲学本というのは難解だ。どんなに「初心者向け」とか「入門書」とうたっている本でも、内容が簡単なわけではない。ホリエモンとか、メンタリストダイゴとか、その辺りのビジネス本のように、気軽に読めるような内容の本では決してない。間違いなく、どれもこれも例外なく、哲学本は難解なのである。

 

 

 

その理由も決してないわけではなく仕方のないことなのだ。というのも、哲学とはそもそも思想であって考え方であって、人それぞれの視点のことを言っている。この実際には手に触れることができない、実際には目に見えることができない思想を、人に伝えるとして、どうやって簡単に伝えることができるだろう。

 

 

例えば、あなたは今日、朝ごはんで何を食べただろうか。パンか? 白米か? それともお菓子か? あるいは牛乳のみとか水のみ、という人もいるだろう。さて、その朝ごはんの味を、僕に教えてほしいといったら、どうやって教えてくるだろうか。美味しさを教えてほしいと言っているのではない。「食べたご飯の、その『味』を教えてほしい」と言っているのだ。

 

 

パンの味とはどんなものか。白米の味とはどんなものか。お菓子の味とはどんなものか。牛の味とは。水の味とは。あなたは、自分の頭に残る「味」のイメージを、僕に伝えられるだろうか。難しいだろう。

 

 

昔「料理の鉄人」というテレビ番組を放送していて、僕もこれを見ていたのだが、その番組に出演する、料理を食べて味を視聴者に伝える役の、料理や味の専門家ですら「おいしゅうございます」が関の山だった。手に取ることもできない、。目で見ることもできない「味」を相手に伝えるのは、とんでもなく難解なことなのだ。

 

 

しかも、ただ単に「なんとなく」伝えればいいというわけではない。相手の先入観を打ち砕くほど、正確さと理論と情熱を持って、相手に伝えなければならないのだ。

 

 

思想なんてのは、じつは 驚くほどハードルが低い。だれでも思想なんてものは持っている。資格がなければ持てないものでもないし、大学や専門学校をでなければ持てないものでもない。頭の中にヒエラルキーはなく、子どもでも大人でも男性でも女性でも持てるものなのだ。あなたが説明しようとする前から、相手の頭の中にはすでに思想というものがある。

 

 

それを「間違っている! オレのほうが正しい!」と言わんばかりに、正確さと理論と情熱を持って伝えなければならないのだ。そうでなければ、伝える意味がない。相手の方が正しいなら、相手が自分と同じ考えを持っているなら、あえて抽象的な物を伝えようとする意味などない。思想を持つのは簡単だが、それを相手に伝えるのは、途端にハードルが高くなるものなのだ。

 

 

これも、「味」に例えられる。ケーキの味とはどんなものか、コーヒーの味とはどんなものか。味というのは、誰かに説明されるまでもなく、誰もがすでに頭の中に「こんな感じ」というのを持っている。それに対して、「いいや、君が感じているコーヒーの味は間違っている。 オレが感じているコーヒーの味の方が正しい」という感じで、相手の先入観を打ち砕くほどの威力で持って伝えなければならない。そうでなければ、相手の先入観は打ち砕かれないだろうし、あえて抽象的で説明困難なものを伝えようとする意味はないだろう。

 

 

思想とは、味と同じように、「手に取ることも、目で見ることもできない」し、「誰でもすでに頭の中に独自の物を持っている」が故に、難解なのだ。この思想というのを伝えることは難しいのだ。哲学本、思想本、倫理本というのは、説明が難解になるのだ。

 

 

で、この「図解雑学 ポスト構造主義」だけれど、哲学本の中では簡単な方である。「簡単」の定義もいまいちハッキリしないが、「読むこと」に対するハードルは低い。思想のことを伝える内容なので、掴みにくいところはもちろんあるが、イラストもあるし、字数も多くないし、読みやすいだろう。

 

 

が、「浅く広く」といった感じだ。他の深く突っ込んだ本と併用することは欠かせない。哲学全体にしろ、その中の一つの思想にしろ、さらにその中の一人の哲学者に的を絞るにしろ、わかりにくい所をお互いに補完しつつ、理解を深めていくしか無い。その理解の為の相互補完の一翼を担うことは間違いないだろう。

 

 

哲学、特定の思想、一人の哲学者。それぞれに対象はあるが、理解を深めるは、狭く深く読んだり、浅く広く読んだり、その緩急が欠かせない。緩急をつけて読んでいる中で、徐々に理解が深まっていくもの。その「浅く広く」のパートを、この本は担ってくれるだろう。

 

 

思想を学ぶことは面白い。それまでの常識、当たり前、前提としてきたこと、人類の普遍だと思ってきたことが、ごくごく最近始まったものだと教えてくれる。「それまでの常識、当たり前、前提としてきたこと、人類の普遍だと思ってきたこと」をすべて、ひっくり返してくれる。先入観、偏見、色眼鏡を取り除き、フラット、公平、客観の視点を教えてくれる。だからやめられない。この本を読んで、より深い思想の奥へ迷い込んでほしい。

 

 


 

 

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