子どもの非行対策としての読書

2020.05.27 (水)

子どもをへの非行対策としては、文章を書くことをおすすめする。子どもにさせるのでもいいが、子どもに何かをさせようとするどうしても「強いる」ことになるので、親が背中を見せるのでいいと思う。親が文章を書くことで、子どもにも文章を書くことに対する興味を育んでやってほしい。

 

 

感情の制御

親が文章を書くことの利点は、怒りを制御できるようになることだ。古代ローマの哲学者セネカは著書「怒りについて」の中で、「感情は理性で抑えられる」と言っている。怒りは感情である。物事を筋道立てて考える理性を育むには、言葉にして表現することが大切だ。

 

 

「ああしたい」「こうしたい」「こうなっているんだろうな」「こんな風なんだろうな」という思いは漠然としていて、たとえそれが筋道立てて考えることの発端になりえるとしても、すぐに霧のようになくなってしまう。掴みどころがなく、キチンと言葉という形にしないと、頭の中にあるだけでは霧散してしまうのだ。

 

 

「自分はこんなことが気に入らないと思っている」「自分の価値観に照らし合わせると、これはどうも納得できない」「自分は怒っているけれど、怒るほどのことでもないのではないか」なんてことを誰かに伝え、ノートに書き止め、キーボードに向かって打つうちに、自分の心情を客観的に見られるようになる。

 

 

改めて「自分はこんなことを考えていたのか」という気づきを得たり、「こうすればいいんじゃないか」という解決策を思いついたり。まさにこれは、セネカの言う「理性で感情を抑えること」に他ならない。

 

 

読書につなげる。気になるし、無いものは出せない

もう一つ文章を書くことの利点を言うと、それは本を読みたくなることだ。文章を書いていると、読書量が増える。僕は統計を取って調べたわけではないが、「物書き」とか「文筆家」「ライター」という職業の人は、多分に読書家である。文章を書く人と、文章を書かない人の読書量を比べてみると、文章を書く人の読書量が圧倒的に多いのは統計を取るまでもなく明らかだと思う。

 

 

世の中には本を読む人と読まない人がいるが、その境界線は「日頃から文章を書いているかどうか」にあるだろう。文章を書いている人は、読書をする人なのだ。

 

 

文章を書いていると、本を読まなければならない衝動、本を読みたくなる欲求にかられる。これはスポーツと同じで、やっていると見るのも楽しいのだ。部活でも社会人でも野球をやっていればプロ野球中継を見たくなるだろう。休日にサッカーをたしなむ人であれば、「プロのサッカーはどんなものか」や「他の人はどんなプレーをしているのか」と気になって、サッカー場に足を運びたくなるだろう。

 

 

文章も書いていると、他の人の文章が気になるものだ。どんな使い方をしているのか。どんな書き方をしているのか気になる。面白い本を読んだ時の楽しさ、悲しみ、不思議さ、驚き。それはどんな文章から生まれてきたのか。あの不思議な感情を抱いたとき、自分はどんな文章を読んでいたのか。その文章の秘密を知りたくなる。

 

 

だから、文章を書いていると他の人の書く内容も気になるのだ。

 

 

それに、そもそも文章を書くとはアウトプットになるので、頭の中にモノが無ければ出しようもない。排便だってモノを食べたから出てくるのであって、そもそも食べることをしなかったら排便だって無い。

 

 

それと同じで、アウトプットするには、表現するには、文章を書くには、まずは書くべき内容が頭の中にあらねばならない。頭の中に大量の情報を入れて、自分なりに咀嚼して、それから出すのだから、文章を書いていると情報が枯渇してしまう。

 

 

そういう意味では、食べ物というよりも汗に近いのかもしれない。スポーツして発汗すると水分が必要なように、ライティングの後には水分補給が必要なのだ。

 

 

世界観を広げる

本を読むと何がいいのかと言うと、世界の広がり、視野の広がりに尽きる。精神の安定には、広い世界観が必要なのだ。狭い世界の中であれこれしようとするから、うまくいかなくて精神的に不安定になる。狭い部屋の中で動き回ろうとしても手足を勢いよく動かせず、窮屈な思いをするのと同じだ。

 

 

気持ちよく体を動かして気分良くなるには広さが必要なのであって、精神的な広がりには読書が一番なのだ。よく「文字を読んでいても世界は広がらない」とか「現実的に経験することには敵わない」なんて人がいるが、文字を読むことを侮ってはいけない。

 

 

確かに体を動かすことと文字を読むことは、拡張という意味において「身体か精神か」の違いのみであるが、文字を読むことは、時として体を動かすこと以上の効果を期待できる。

 

 

それは身体ですら、精神的な認識の中にあるからである。簡単に言ってしまば、思い込みによって身体的な感覚はコントロールできる、ということだ。スポーツしたあとの気持ちよさ、ジョギングした後の爽快感だって、ドーパミンによるものだと考えれば、頭にドーパミンの働きを活発にする物質を摂取すればいいことになる。

 

 

「体を動かした、スポーツした、ジョギングした、気持ちいい!」だって、精神的な認識の内側なのだ。そういう意味では、読書によって精神的な世界観を広げることは、現実的な経験よりも優先されることなのかもしれない。

 

 

というわけで、子どもへの非行対策としての文章を書くことをおすすめする。感情を抑えるための理性を働かせるため。それと読書につなげるため。読書は世界観を広げるので、精神安定上有効なのである。

 

 

 


 

 

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