非行を非行と思わない。非行をさせないもっとも簡単な方法。最後の奥義「認識しだい」

2020.09.20 (日)

子どもの非行は「認識しだい」だ。

 

 

子どもの非行には「認識しだい」な部分があって、子どものどの行動を非行と呼ぶかは、その人の世界観に左右される。極端に言えば、とてつもなく悪いことをする非行少年を子どもに持ったとしても、その親が子どもの行動を「非行だ」と思わなければ非行ではなく、「子どもが非行に走るかどうか」は考え方しだいなのだ。

 

 

「子どもの非行に定義があるか」と問われれば、僕は「犯罪少年、触法少年、ぐ犯少年の3つが非行になる」と答える。

(1)犯罪少年

罪を犯した(刑罰法令に触れる行為をした)、14歳以上20歳未満の少年

(2)触法少年

刑罰法令に触れる行為をした、14歳未満の少年

(3)ぐ犯少年

保護者の正当な監督に服しない性癖があるなど、一定の事由があって、その性格又は環境から判断して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年

 

 

けれどこれは、あくまでも少年法の視点から見た非行だ。非行という概念を法律的に、厳密に捉えたときの考え。だから一般的には、もっと広い概念で非行をとらえてもいいと思う。たとえ犯罪少年、触法少年、ぐ犯少年とは呼べなくとも、親として「これは非行なんじゃないか」と思えば、それは非行と考えていいだろう。

 

 

たとえば「汚い言葉遣い」はどうか。子どもが汚い言葉遣いをするようになっては、親としては「子どもが将来、きちんとした大人になってくれるのだろうか」と心配するところだろう。それまで「かわいい、かわいい」と思ってきた子どもが、自分たちに「知らねーよ」だの「うるせーよ」だの、まるでヤクザや不良が使うような言葉を向けてくるのだ。「将来、非行に走るんじゃないだろうか」と不安にもなる。

 

 

たとえば「イジメ」だ。イジメをする側になった場合のこと。厳密には、イジメそのものは非行ではない。もちろん、イジメがクラスメートに対する暴力を伴うものなら暴行罪の適用が視野に入るし、クラスメートの持ち物を壊すようなものなら器物損壊になるかもしれないし、ビビらせてお金をとるようなものなら「恐喝罪!」ってなるのかもしれない。

 

 

けれど、それはあくまでも「イジメが犯罪の域に達したら」という意味だ。「イジメがそこまでひどくなったら」という意味だ。イジメを犯罪として扱える域に達していなかったら非行とはならない。イジメがひどくないのなら(ぼくはイジメ事態は許せないけれど)非行とはならない。あくまでも法律の適用外の話になってしまう。

 

 

もしも自分の子どもがイジメっ子にでもなって、クラスメートが自分の子どものイジメによって苦しんでいるようであれば、自分の子どもに「非行」のイメージを重ねるだろう。イジメをするようでは「自分の子どもは非行に走ったのだ」と思うに違いない。けれどこれも上記のとおり、ひどい場合は法律的には非行でも、ひどくなければ法律的には非行とはならない。

 

 

つまりはそういうものなのだ。僕たちは法律に対して、どこか「手がつけられないもの」という認識でいる。日本は法治国家だし、少なくともよほどの後進国でなければ世界は法律で守られているし、「法律的には〇〇だよ」「法律で決まっているよ」と言われると、どこか抗うことができないもので守られているように思える。

 

 

けれど、法律なんてあくまでも規定である。現実ではない。現実というのは僕たちが生きている世界であって、そこから言葉として、文章として抜き出したのが法律なのだ。文章にするために日常の中から取り出したのが法律であって、それはあくまでの現実そのものでなない。つまり、法律と現実はかけ離れている、ということになる。

 

 

もちろん、法律として規定する以上、できるだけ現実に即したものになるように法律家は努力している。できるだけ法律の解釈と現実が合うものになるように、解釈によって罪のない者が犯罪者になったり、逆に罪のある者が犯罪者にならなかったり、そんな食い違いがないように法律を作る際に注意して作っている。

 

 

けれどあくまでも法律は法律であって、どれだけ頑張っても、現実をくまなく一部のすきも無く文章に落とし込めることはできない。いくら感情を言葉にしようとしても言葉にしきれないのと同じように、いくら現実を法律で規定しようとしても、規定しきれるものではない。

 

 

解釈しだいなのだ。法律に規定されていなくても、犯罪少年と触法少年とぐ犯少年に類型されなくても、親として「これは非行だ」と考えれば、それは非行ということになる。

 

 

逆に言えば、親として「これは非行ではない」と考えれば、「それは非行ではない」ということ言える。もちろん、この考えにはマイナスの面もあって、親バカになってしまう可能性もある。テレビのニュースで以前、犯罪を犯した自分の子どもに対して「いくら犯罪者でも自分の子どもだから愛してます」なんてインタビューで答えていた人がいたけれど、子どもを甘やかしてしまう恐れもある。

 

 

けれど、この「非行は解釈しだい」という考えを使えば、「非行をそれほど恐れなくともいい」とも言える。不安を取り除くこともできる。

 

 

子どもを非行に走らせない一番簡単な方法は実は、親がそれを非行だと思わないことなのだ。親が子どものやんちゃに対して寛容になれば、それは非行にならないのだ。

 

 

子どもが非行に走ることで一番苦しむのは親だ。手塩にかけて育ててきた子ども、せっかく自分の家に生まれてきた子ども、一緒に思い出を作ってきた子ども。そんな子どもが犯罪者になるのであれば、大抵の親は苦しむ。

 

 

ただ、何事もその時点ではどうなるかわからない。イモムシのよう幼虫だって、サナギを経て力づよいカブトムシに変化する。アップル創業者でクリエイターの神様と言われるスティーブ・ジョブズだって、大人になるまでは神童でもなんでもなかったのだ。現代は行動力がものを言う時代。お勉強をする行儀の良い子よりも自分の思ったことを何でもする子どもが、幸福のうちに人生を生きる。

 

 

そう考えると、親だけが苦しむような非行に関しては、それほど悩まなくてもいいのではないかと思う。もちろん親だけが苦しむものはなく、非行は子どもの将来に影を落とすものだけれど、価値観の急変が言われているこのご時世、良いも悪いも何事も経験した方がいいのもまた事実だ。

 

 

親から見て悪いことでも、子どもにとって見れば経験のうちの一つ。親としては子どもを将来に向かってまっすぐに育てないという気はあると思うけど、曲がりくねったことを多く経験することが見分を広めることでもある。

 

 

どこまでも甘やかすような親の態度もどうかとは思うけれど、悪いか悪いかは認識しだい。非行も認識しだいなのだ。

 

 


 

 

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