サービス系の商品を売ることの肝が言語化されている〜徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと
まあ、なんで読んだのかと言われれば「興味があったから」に尽きる。著者が「ちきりん」というだけで買いたくなってしまう。そういう意味では私もいわゆる「ファン」というやつなのかもしれない。今までこの著者のやってきた事を見てみればいい。
出会いは「ゆるく考えよう」だった。そこで自分の本心と出会った。本に書かれている言葉たちが、私の奥から噴き出してくるような言葉に思えた。自分でない他人が書いた言葉なのに、私でない他人の言葉なのに、自分の言葉のように思えた。自分以上に自分の本心のように思えた。「これが本音ってやつか」「これがノイズに邪魔されない世の中の見方ってやつか」と、素の状態で身の回りの出来事を見る見方が新鮮だった。
さらには「ちきりんの日記の育て方」に収録されていたブログの数々。そこから著者がブロガーだという事を知った。すごく深掘りれているブログたち。こんな切れ味が鋭い文章をブログでいくつも作っているというのだから驚くばかり。ついでブログに引き込まれてしまった。で、そのブログたちを呼んだところ、実にもったいない。「是非とも世の中の人に読んでもらいたい」と思う文章の数々が、ネットという物質化されていないデジタル信号の中に埋もれているのかと思うと、損をしている人の数は計り知れないだろう。自分はこのブログに出会えて本当に奇跡だった。
さらにさらには、「採用基準」。これこそが私の人生を変えた、まさに勇気をもらった名著。ここまでのクオリティの本が、白と黒だけの表紙でそっと本屋の棚の中にしまわれているなんて、世の中はなんて罪。しかもこのネーミングセンス、「採用基準」。こんなタイトルでは、決してこの本を必要としている人には「検索されない」という意味で、届かないんじゃないかという罪深さ。
一気に変える。この「採用基準」は、あなたの人生を一気に変える。「そうは言っても学力だろ?」「現実的にはお金だろ?」「結局はステータスだろ?」。そんな考えを持っている人が、この本を取り、内容を読み、気付き、考えを変えるのだろう。それがこの「採用基準」という本のネーミングに施されたトリックなのだろう。子どもがまだ小さいうちにこの本に出会えて本当に良かった。自分だけでなく、子どもをも視野の狭い人間にしてしまうところだった。
「マーケット感覚を身につけよう」も「未来の働き方を考えよう」も「自分の頭で考えよう」も、どれも素晴らしい。ミニマリストの私が、いまだに手放すことができない。世の中の見方が変わる。表面的な世界の向こう側に見える根幹の世界へ一歩を踏み出す勇気をもらえる。新しい世界への冒険の武器になる。
まさに武器と言える。「ペンは剣より強し」とはこのこと。「ロトの剣」よりも、「天空の剣」よりも、「ラグナロク」よりも、そんな数々の冒険を繰り広げてきた思い出の名剣よりも、これらの本は重い。自分を守る防具でもあるし。人生を切り開くための草刈り機(?)とも言える(視野を悪くしている生い茂った草を刈るという意味で)し。
で、このリノベ本。まずはうまい。本の全体的な構成がうまい。みんなが気になる「で、結局どういった部屋になったの?」というのを最後に持ってきている。気になって早く読み進めたくて、最後まで読みたくて、結局は一気に最後まで読む結果になってしまった。だって気になるでしょう。あの「ちきりん」がどういった部屋を作ったのか。予想だにしないところから見えない所を、だけど確実に刺さる、切れ味鋭い妖刀のような思考が、どんなところで生み出されているのか。あわよくば自分も参考にしたい(あやかりたい)と思っているし。
だけど最初から最後まで一気に読ませるには、前半や中盤の内容を落とさない必要もある。もちろんこの本も落としていない。部屋のリノベを計画して、実際に壊して、そして作る、という工程を追っているので、ある意味ハラハラしながらその工程を追っていける。
で、やはり肝は第三章だろう。この視点は今までなかった。考えてみれば「サービスを売る」っていうのはほとんどがそうなのかもしれない。「鉛筆を売る」とか「リンゴを売る」っていう分かりやすい商業形態だと、この発想はなかなか持てない。自分もサービスを売る手前、何となくこの辺はモヤモヤとしてはいた。だけど言葉にできるまでは考えが彫れていなかった。だからこの章を読んで納得。
おそらくサービスを売っている人は、この章から勇気をもらうのではないだろうか。自分のサービスを売るっていう事に対して、明確な道筋が見えるんじゃないだろうか。今までうやむやにしていた部分に光が当たったので仕事もやりやすいだろうし、何よりサービスを売る側である自分自身がやりやすいのではないだろうか。
確か「嫌われる勇気」でもそんなことが言われていたし、「問題は起こって当たり前」って考えを持つ事は、今までもそっちこっちで言われてきたこと。「だから過剰に期待しない」とか「だから勇気を持って」とか。だけど、実務的な部分にまで落とし込んでいるのは新しかった。抽象的な「問題は起こって当たり前」の考えを、具体的な現実レベルに橋渡しをしてくれる。
第三章の考えが広がれば、社会も寛容的になる。客が売り手に対して「せっかくお金を払ったのに」って詰め寄ることも少なくなるだろう。だって半分は自分の責任だから。一方的に相手が悪いことではないことが明確だから。それに、初めからそうと分かっていれば、商品自体が良くなるはず。お互いに手を取り合うことが必要だし、そのことが初めから分かっているので、過程でハードルを越えることができ、さらには「ハードルを超えた」というモチベーションも相まって、最後にやってくる結果は、さらに満足度の高いものになるだろう。
というわけで、「徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと」でした。著者の本は、徹底的に社会を良くするもの。こういう本を「価値がある」って言うんだし、「バリューを出す」とはこういう仕事を言うのだろう。
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