思考の整理学 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー
この本は、思考について書かれた本です。と言っても、脳科学者が書いた専門用語をふんだんに盛り込んだものではありません。難しい専門用は特に出てきませんでした。考えることが好きな、理系でない文系の人間が「思考」について考える際のヒントをくれる本です。
例えば、考える事が出来ない学生について。1980年代の刊行にも関わらず、現代の考えと同じなことにまず驚きました。本の一番初めに書いてあることなので、おそらく著者が一番強く思うところなのだと思います。学校がグライダー養成所になっていると、著者は警笛を鳴らしているのです。
自分では飛び上がることが出来ないグライダーばかりで、引っ張ってもらうことは得意なのに、自分では飛べと言われると出来ません。著者はそのような姿を、論文を書けない学生に見ています。
グライダーは、自分にエンジンが付いていないことに気づきません。なぜなら周りがグライダーばかりだからです。エンジンが付いている飛行機は危ないという理由で自由に飛ぶことが出来ません。
例えば、いい考えの出し方について。著者は「見つめるナベは煮えない」ということを本書の中で頻繁に言っています。
考えなければならないからと言って、その事だけを見つめてウンウンとうなっていても、うまく考える事が出来ないようです。
ある程度離れたポジションにいると、解けなかったものが解けたり、いい考えがふと浮かぶ様です。わからない時は寝てしまえば、起きた時に頭が整理されて考える事が出来る様になっているとも言っています。
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