世界を歩いて考えよう 〜 非行防止の子育てや原因・家庭環境・少年の心理を探る
この本は、ブロガーである著者が、海外での常識やものの見方、日本での考え方との違いをまとめた本です。
本書の構成は以下の通りです。
第1章 お金から見える世界
第2章 異国で働く人々
第3章 人生観が変わる場所
第4章 共産主義国への旅
第5章 ビーチリゾートの旅
第6章 世界の美術館
第7章 古代遺跡の旅
第8章 恵まれすぎの南欧諸国
第9章 変貌するアジア
第10章 豊かであるという実感
さいごに 旅をより楽しむために
面白かったのは、著者がソビエト連邦などの共産主義国家に旅行に行った時の話です。国の制度自体が違うため、レストランのボーイも、ホテルのレセプションも、タクシードライバーも、店員も、働いている人にやる気がない。一生懸命に働いている人がいない。彼らは決められた時間、働いていれば同じだけの給料がもらえる。だからビジネスという概念がない。
体制崩壊直前のソビエトでは、物資不足が深刻で、アメリカと対をなす巨大国家とは思えないほどだったそうです。 もっとも恵まれたモスクワの百貨店ですら、外とうは一種類、ズボンも一種類、イスも一種類しか売られておらず、しかもそれらの品物を求める大勢の人たちで、店内は身動きが取れないほど混んでいたそうです。
満員電車のように人であふれた店内でどうやって買い物をするのかというと、商品の見本が天井から吊り下げられており、その下にそれらの商品が売られているので、客は押し合いへし合いをしながら、目的の商品が吊るされている下まで移動していたそうです。
その道の専門家でもないのに、社会を面白い切り口で切る、著者の文章は心に刺さります。物事を考える際、文章を書く際の参考になります。
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