毎日小学生新聞に載っていた津田塾大学長の子育て論。家庭で子どもの自己肯定感を育むために

2020.02.07 (金)

「電子書籍か紙の本か」っていう論争があります。

 

 

「電子書籍で十分に読める」っていう人と、「紙の本じゃなきゃ嫌だ」っていう人の論争です。紙の本派の人は、「紙の本じゃなきゃ頭に入らない」とか「紙の手触りとかページをめくる感触がいいんだよ」って言うことを言うんですけど、この気持は僕も分からなくはないんです。というのも、僕も電子書籍だとどうも頭に入ってこないんです。紙の本の方が、読んでいて頭に入る気がするんです。

 

 

これは本当なのかどうか。科学的に「紙の本の方が頭に入りやすい」という研究結果もあるんだとか無いんだとか。電子書籍だと結局、見ているのは薄っぺらいディスプレーなんであって、そうすると入ってくる内容も薄っぺらいものに感じます。奥行きを伴って内容が頭に入ってこない感じです。個人的には「本の厚さ」が、頭に入る内容に関係しているんじゃないかと思います。厚い本に重厚さを感じるように、本の厚さは少なからず内容に影響を与えます。表面的なディスプレーは、内容そのものも表面的になるのではないか、と。

 

 

この「電子か紙か」における紙の優位性は、新聞だともっと顕著だと思います。電子ペーパーと紙の新聞。一回、電子ペーパーを読むのを習慣にしようとしたんですけど、結局できなかったです。紙の新聞だと「頑張ってでも読もう」って気になるんですけど、電子ペーパーだと全然、その気にならないんです。「読もう」って気にならない。その時は会員登録したものの、結局ページを開かなくなって、会員を解約しました。電子パーパーだと、内容が表面的に見えるので、「読もう」って気にならないんです。

 

 

さて、我が家では毎日小学生新聞を購読しています。この新聞の良いところは、小学生の目線を理解するのに役立つことです。おそらく、小学生に読みやすいように、小学生が興味を持つように作られていると思うんで、文章の書き方とか、記事の内容とか、コンテンツの中身とか。「小学生はこんなのに興味があるのか」という参考になります。もちろん、「小学生の目線を理解できるのか」という言われると、「理解はできないんでしょうけど、『役人立つ』ということです」程度なんでしょうけど。

 

 

で、1月30日の新聞に、「進路・進学」に関する記事が載っていて、津田塾大の高橋裕子学長と開成中・高校の柳沢幸雄校長の座談会だったんです。昨年の12月に東京都千代田区で開かれた公開座談会をレポートする記事でした。タイトルには「人生を支える自己肯定感」とありましたね。

 

 

そんなに尖ったことが書かれていたわけではなく、誰でも考えつく・たどり着くような内容でしたね。「子育てには自己肯定感が大事」みたいな。今どき、どこでも言われている内容だと思うんですよ、自己肯定感。

 

 

社会を行きていると、楽しいことばかりじゃないですよね。嫌な相手とも付き合っていかなければならないし、嫌な仕事でも進んでしなければならない。自分の大切な時間を使って、嫌なことにも突っ込んで行かなきゃならないんです。行動力が求められるし、勇気が必要になる。そんなときに「自分はダメなやつだ」なんて思っていたら、やっていられないですよ。

 

 

確かに能力的に自分が至らない時って、いくらでもあります。文章を書いていても「自分はまだまだだな」って思うし、他の人の記事を読んでいて嫉妬を覚えるくらい上手な記事に出会うこともある。でも人生を進めるためには止まってなんかいられない。前に進むしか無い。そんな時に、全体では無くごく一部でもいいから「ココだけはうまいかな」っていうのがあると、随分と楽になるはずです。そんな自己肯定の連続が、人生を前に進めるブースターになるんです。

 

 

だから、座談会のお二人とも自己肯定感について話していたのはいいんです。ですけど、できればもっと尖った内容が欲しかった。「津田塾大学長」と「開成中高校長」っていう肩書を持っている二人なので、「どんな内容が書かれているんだ」「どんな子育て論が飛び出すんだ」と期待して読み始めたんですが、あんまり尖ってはいませんでしたね。

 

 

いつでも本質はシンプルですし、ギラギラしていない普通のものにこそ価値があるのかもしれませんが、それでも何か「おっ」って思わせるコンテンツが欲しかったです。これは本人らが本当に子育てにおいて尖った思想を持っていないからなのか。それとも世間体がある手前、隠しているだけなのか。それともライターの書き方によるのか。

 

 

自己肯定感の他に、「好きを伸ばす」とも書かれていたんですけど、これもよく聞くことですよね。いろんなキャラクターをもった人たちがいる中で、楽しく人生を送るには自分のキャラクターをわかっている事が必要です。「自分はこういう人間だ」っていうアイデンティティーの確立。「好きなことを伸ばすのはわかるんだけど、何が好きかわからない」っていうのは「自分の事がわかっていない」っていうことなんです。

 

 

だけど、大層な肩書を持った二人がいうことも「好きを伸ばす」なんですね。好きを伸ばしていったら、受験をしてまで進学しようとする子どもなんていなくなると思うんですけど、どうなんでしょう。

 

 

で、この記事の中の一番面白かったのは、高橋津田塾大学長の「これからの時代は、4年制大学だけでは足りない」っていうくだりです。そこの部分を抜粋して書いてみます。

 

 

「自己肯定感、セリフエスティームを育てるときの注意点は、私はやはり、子どもが好きなことを応援する姿勢を示すことが親として重要だと思います。これからの時代は、4年制大学だけでは足りない。大学院に進学させてください。せめて修士まで2年間を必須と考えてください。資金計画が難しい場合は、働いてお金をためて大学院に行きなさいと、子どもを励ましてください。最低1年の留学も視野に入れていただきたい。大学院と留学で、21世紀後半を生き抜く準備をしてください。」

 

 

どうですか、これ。「4年制大学だけでは足りない、大学院まで行け」だそうです。どうなんでしょう。自己肯定感を育むっていうのは「あなたは自分のままでいい」っていうことだと思うんですけど、そうすると「相手は相手、自分は自分」っていう気持ちを育むことであって、「大学っていう線路を敷くこと」とは真逆のような気がするんですが。

 

 

親としては、やっぱり子どもはかわいいですから、リスクのある人生をおくってほしくないと基本的には思います。いくらリスクをとれと言っても、自分の子どもを本当に崖から落とすことはできない。だから勉強に励んでほしいと思う。けれど、子どもにとってはそれは苦痛でしかない。真に子どもを「あなたのままでいい」と肯定するなら、「勉強しないで好きなことをしていなさい」になると思うんですが……。確かに勉強が好きな子はいるのかもしれませんが、大抵の子は授業を受けて受験勉強することが快楽ではない。そんな中で、「大学に行け」というのは、どうも話の始まりと終わりが食い違っているように思えてならないです。

 

 

高橋学長は、記事の中で他にも「学校でも社会でも9割の人々がAだと言っていても、『はい』と手を挙げて『Bだと思う』と言えるような力を育んでいただきたいと思います」とも言っているのですが、そういうことなのでしょうか。「普通の人が言う自己肯定感とは違うことを言っているから、当たり前のAではなくてB」ということで、「自己肯定感が大事だから大学院まで行け」なのでしょうか。

 

 

この二人は果たして、本音で話しているのか、それとも立場上のタテマエを話しているのか、それともライターが汲み取れていないだけなのか。できれば僕が座談会の場に行って、空気を読まずに質問して見たかったです。

 

 

で結論としては、新聞の記事では、自己肯定感を育む方法として「子どもの好きなことを見つけて応援すること」というのが大きな意見の柱でした。最後にもう一回言うのですが、そのことと「大学院まで行け」がどうしても繋がらない。疑問です。

 

 

 

 

 


 

 

 

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そこで、一つの具体案として、「スナイパーのようなものだと」というのを示したいと思います。スナイパーとは、遠くから銃で相手を狙う、狙撃です。思いやりとは、スナイパーのようなものなのです。もちろん、思いやりっていうのは頭の中のことなので、実際に銃なり狙撃なりはしませんが、遠くから狙うすスナイパーと思いやりっていうのは、似ています。

 

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