親子関係は距離感で決まる。「虐待?」と思ったら距離をとる

2020.10.05 (月)

犯罪の原因は距離の近さにあると思っている。

 

 

相手との距離が近いと、相手に対して不快感を持つことが多くなる。方向性が違うわりに逃げ場がないからだ。

 

 

たとえば警察官をやっていると、パトカー勤務をする機会が巡ってくる。パトカー勤務とは、初めのうちは「パトカーに乗れる」「パトカーを運転できる」というワクワク感の方が大きかったけれど、慣れてくるパトカーへの憧れなんかも薄れてきて、もっと現実的なものに目を向けるようになる、人間関係だ。

 

 

パトカー勤務にはジンクスがあって、「パトカー勤務員どうしは仲が悪くなる」というものだ。パトカーには基本的に2人で乗る。運転席と助手席の2人。一人が車を運転士して、助手席のもう一人がそれ以外を扱う。「それ以外を扱う」と書くと、いかにも大雑把で、「補助」とか「その他」みたいなニュアンスだけれど、僕は意外とパトカー勤務の本命は助手席の方だと思っている。大変だし、経験がなければうまくできないのは、運転よりも助手席の方だ。

 

 

運転席の勤務員は、ある意味で楽だ。やることは「運転」と決まっている。運転は警察官でなくてもできるので、パトカーに乗ってすぐに実践できる。けれど助手席はそうはいかない。運転以外を一手に引き受ける。無線での報告や連絡。カーナビでの目的地や現在地の確認。現場についたらいの一番に飛び出して応対。運転というメイン以外の雑務をすべてやらなければならないので、経験と度胸が必要なのだ。

 

 

それはそうと、パトカーで勤務していると、運転席と助手席では仲が悪くなる。距離が近すぎるのだ。パトカーという閉鎖された中でお互いに意思疎通して仕事を回さなくてはならないので、お互いの嫌な部分も見えてくる。気になり出す。

 

 

ある程度の距離があれば気にならなかったものも、パトカー勤務になった途端、2人の方向性の違いは顕著に表れて、仲違いになるのだ。

 

 

これは異性とのお付き合いにも言えることだ。

 

 

ただのクラスメイト、ただの級友、ただの知り合い、ただの地元仲間。そうであればよかったものの、付き合い始めたばかりに距離が近くなって、それまで見えなかったものが見えてくる。方向性の違い、価値観の違い、生き方の違いが顕著になって、それでも一緒に生活しなければならないことが窮屈になる。

 

 

これは親子関係にも言える。子どもとの距離も、パトカーやお付き合いと同じように考えられる。

 

 

たとえば、警察官をやっていると虐待の通報はよく受けるのだけれど大抵、子どもを虐待している親というのは、子どもとの距離が近い。子どもという存在が、親の中で大きくなっているのだ。

 

 

虐待には身体的、心理的、性的、ネグレクトという4つがある。

 

 

身体的、心理的、性的な虐待が、親の子どもとの距離が違いが故に起きるのは明白だと思う。「自分の大切なものだから、自分の望み通りにしたい」のだろう。自分の所有物だと勘違いしてしまう。その結果、当の子どもが思い通りにならないと、無理に自分の望み通りにしようとする。叩いて、蹴って、暴言を浴びせて、自分の思い通りに動かそうとする。

 

 

ネグレクトも実は、「距離が違い」という説明で片が付く。これは、親が自分の理想像というものに囚われているのだ。小学生の頃の、好きな女の子に無視をする男子児童のようなものだ。自分の思い通りにならないのなら無視をする。どう接したらいいかわからないから無視をする。相手の存在が、自分の中で大きくなって負担になってしまい、突き放す結果になるのではないか。

 

 

相手に対して「そんなもんだ」と、期待せず、高望みしすぎず、フラットに接することができれば、適切な距離感が維持できるだろうに。

 

 

だから、自分が「子どもに対して厳しい態度をとっている」と思ったら、距離をとって冷静に眺めることが必要だ。

 

 

以前、何かの雑誌で落合陽一氏のインタビュー記事を見た。子育てについて話していて、落合氏は「子どもを預けられる環境を作ることが大切」のようなことを言っていた。前後の文脈が定かではないので、ここで僕が持ち出すのは落合氏の真意に反するかもしれない。

 

 

けれど細かいことは抜きにしてあえて落合氏の記事を僕の都合のいいように解釈すると、子どもを預けることで親は子どもと距離を取れるのだ。感情優先でなく、冷静に思慮深く自分と子どもとの関係を眺めることができるのだ。

 

 

子どもが常にそばにいては、冷静に眺めることはできない。自分が映画を見ているのと映画を見ている他人を眺めるのは違うように、自分が映画を見ていては没頭してしまい、客観的に自分を眺めることができない。子どもと距離をとれる環境。そんな環境づくりが、親が子どもに対して冷静に接するには必要なのだ。

 

 

「子どもとの距離を詰めたい」「子どもと常に一緒にいたい」という親もいるだろうが、その気持は結局は自己満に過ぎない。子どもは親が思っているほど親に対して愛しい気持ちを持っていないだろう。自分の老後に子どもから介護される状況、あるいは自分が年老いた親を介護する状況を想像すればわかりやすいが、「愛しさ」とは親から子への一方通行だ。川の流れのように決して逆流はしない。時間と同じように決して遡りはしない。親が望むように「子から親へ」は流れない。

 

 

ピッチャーがキャッキャ―に向かってボールを投げる時、距離が近すぎては、キャッチャーはボールを捕ることができないばかりか、そのボールはキャッチャーを傷つけることにもなる。近すぎる距離での一方通行は危険なのだ。

 

 

虐待など、犯罪の主な原因は距離の近さだ。

「ついつい大声を出してしまう」

「思わずイライラしてしまう」

「言い寄られているのに無視してしまう」

のであれば、距離をとって冷静に親子関係を眺めてみよう。

 

 

自分たちの距離感を見つめ直し、適切な距離感をつかむべきだ。

 

 


 

 

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