幸せになる勇気 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー
もともとは「嫌われる勇気」の続編を書く予定はなかったそうです。いろいろな反響があって続編を書くに至ったのでしょう。哲人と青年の問答がまたもや始まります。
前作に続き、非常に影響力のある本でした。「子どもとの接し方」を軸に話が進んでいくので、私にとっても非常に関心が引かれました。他の内容で話が進んでいくよりも、私のポジションど真ん中で話をしてもらった方が、私にとってもイメージしやすいので助かります。
最後の方に書かれていた、結婚相手についての話が印象に残っています。「運命の人はいない」という部分です。運命の人は待っていても現れるものではありません。なぜなら「運命の人」とはいないものだからです。
では何を運命と呼ぶのか。自分たち2人で作り上げた軌跡を振り返った時に「これは運命だった」と思えるものなのでしょう。ですので、結婚相手とは「待つもの」ではなく「決断するもの」の様です。
極論を言えば、結婚相手は誰でもいいのでしょう。「この人と幸せな家庭を作ろうと決断すること」が、運命の人との出会いになるのだと思います。
「褒めてはいけない叱ってはいけない」の部分も印象に残りました。
相談者に「先生のおかげで治りました。と言わせるカウンセリングは何も解決していない。それは、依存しなければ解決できないという意味だからです。
自らの力でそれを成し遂げたと思ってもらってこそ、本当の解決になります。故にカウンセラーは感謝すらさせず、孤独な存在だと。
そのために、「それは自分で決めていいんだよ」とメッセージを伝えることが、子どもに自立を促します。
イチローの言葉でもある「小さいことの積み重ね」なのだと思います。決断できる人間にするには、小さい「決断」を子どもの頃から育むことが大事なのでしょう。
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